アストラゼネカのSGLT2阻害剤フォシーガ、心不全治療に関する第III相DAPA-HF試験の主要評価項目を達成

本資料はアストラゼネカ英国本社が2019年8月20日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


DAPA-HF試験は2型糖尿病合併および非合併の両患者さんを対象とする
SGLT2阻害剤で最初の心不全アウトカム試験
フォシーガは、標準治療への追加治療として
心血管死または心不全悪化リスクを有意に低下

 

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2019年8月20日、SGLT2阻害剤フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)の第III相DAPA-HF試験の良好な結果を発表しました。フォシーガは、プラセボ群と比較して、心血管死または心不全の悪化(入院もしくは心不全による緊急受診と定義)において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるリスク低下を示し、主要複合評価項目を達成しました。本試験は、2型糖尿病合併および非合併の、心不全の標準治療を受けている左室駆出率が低下した心不全(以下、HFrEF)の患者さんを対象に実施されました。

DAPA-HF試験におけるフォシーガの安全性プロファイルは、これまでに確立された本剤のプロファイルと一貫していました。

バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Paangalosは次のように述べています。「DAPA-HF試験の結果により、フォシーガは、心不全患者さんの2型糖尿病合併の有無を問わず、心不全の標準治療への追加治療として使用した際の有効性および安全性データを実証した、SGLT2阻害剤クラスで最初の薬剤となりました。現在、心不全患者さんの半数は診断後5年以内に死亡しており、入院の主な原因として最も多い疾患の一つです。当社は、DAPA-HF試験の結果についての規制当局との協議を可及的速やかに実施する予定です」。

グラスゴー大学 循環器リサーチセンター 循環器・メディカルサイエンス研究所のDr. John McMurrayは次のように述べました。「DAPA-HF試験で確認されたダパグリフロジンの心血管死または入院の主要複合評価項目を抑制する効果は、大変有意義です。我々はこれらの有望な研究結果が、将来、心不全による患者さんの負担軽減や予後の改善に役立てられることを期待しています。」

DAPA-HF試験は、2型糖尿病合併および非合併の成人HFrEF患者さんを対象に、SGLT2阻害剤を心不全の標準治療(アンジオテンシン変換酵素 [ACE] 阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬 [ARB]、β遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬 [MRAs] およびネプライシン阻害剤を含む薬剤)への追加療法として検討した、最初の心不全アウトカム試験です。

DAPA-HF試験の全結果は、今後の学術集会において発表予定です。

また、フォシーガについては、左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)患者さんを対象としたDELIVER試験およびDETERMINE試験(HFrEFおよびHFpEF)も実施されています。

なお、本邦においてフォシーガは、心血管死や心不全悪化のリスク減少としての適応は取得していません。

以上

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DAPA-HF試験について
DAPA-HF(Dapagliflozin And Prevention of Adverse-outcomes in Heart Failure) 試験は、SGLT2阻害剤の心不全に対する影響を検討した最初の試験で、2型糖尿病合併および非合併の典型的な心不全患者集団(NYHA IIからIV)に対して、心不全の標準治療にSGLT2阻害剤を追加した治療を行った場合の有病率および死亡率を検討しました。DAPA-HF試験は、2型糖尿病合併および非合併の、左室駆出率が低下した(LVEF40%以下)心不全患者さんが、標準治療への追加療法としてフォシーガ10mg を1日1回投与した際の影響を、プラセボとの比較で評価することを目的とした国際多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較試験です。主要複合評価項目は心不全イベント発症(入院または同等のイベント;すなわち、心不全による緊急受診)までの期間、もしくは心血管死でした。

心不全について
心不全(HF)は、心臓が十分な血液を体全体へ送り出すことができない疾患で、生命を脅かす疾患です1。世界中で約6,400万人(半数は左室駆出率低下を有する)を脅かす疾患で、その患者さんの半数は、診断されてから5年以内に死亡する慢性かつ進行性の疾患です2, 3, 4 。罹患率が最も高い男性のがん(前立腺がん、膀胱がん)および女性 のがん(乳がん)と同様に悪性の疾患として知られています5。65歳以上で入院する方の理由として最も多い疾患で、臨床的および経済的に大きな負担となっています6

フォシーガについて
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)は、成人2型糖尿病患者さんの食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロールの改善を適応とし、経口1日1回投与で単剤療法および併用療法の一環として使われる、ファーストインクラスの選択的阻害剤(SGLT2阻害剤)です。本邦では2019年3月、1型糖尿病の適応を取得しました。フォシーガの強固な臨床プログラムは、終了済みの試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されました。

DapaCare臨床プログラムについて
アストラゼネカは、循環器 (CV)、代謝および腎疾患の有病率、これら疾患に関連する死亡率や臓器障害について明らかにすることにより、患者さん中心の包括的なアプローチによる疾患管理を目指しています。これらの疾患は相互に関連していることを受け、アストラゼネカでは、DapaCare臨床プログラムという、ダパグリフロジンの心血管および腎に対する薬効プロファイルを、患者さんの2型糖尿病合併の有無に関係なく検証するプログラムを開始しました。本プログラムには、約3万人近い患者さんが無作為化臨床試験に登録され、複数国で実施したリアルワールドエビデンス試験によって裏付けられています。DapaCare臨床プログラムは、2型糖尿病合併の有無にかかわらず、心血管疾患の既往がある患者さん、心血管リスク因子を有する患者さん、さまざまなステージの腎疾患を有する患者さんなど幅広い患者データを構築し、患者アウトカムの改善に必要なエビデンスを医療関係者に提供します。
フォシーガでは、慢性腎臓病患者さんを対象とするDAPA-CKD試験、心不全患者さんを対象とするDELIVER試験(HFpEF対象)および DETERMINE試験(HFrEFおよびHFpEF対象)が進行中です。DapaCare臨床プログラムは、心血管 、腎疾患、代謝疾患に伴う複数のリスク因子に対応する、包括的な患者さんへのアプローチを実現し、サイエンスの限界に挑むという当社の理念を象徴するプログラムです。

心不全に対するアストラゼネカの取り組み
アストラゼネカは、心不全患者さんの治療におけるサイエンスの進展と臨床アウトカムの改善に、フォシーガによって貢献できるよう取り組んでいます。当社の広範な臨床プログラムには、心不全に関する包括的な臨床エビデンスの提供とアンメットニーズを明らかにすることを目的とした、心不全の臨床的に重要な領域に焦点を当てた複数の第III相国際試験(DAPA-HF試験、DELIVER試験およびDETERMINE試験)が含まれます。また、アストラゼネカは、心不全に対応する可能性がある複数の新薬候補の早期研究を通じて、意義ある新たなサイエンスの進展に注力しています。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝疾患 (CVRM) について
循環器・腎・代謝領域は、アストラゼネカの3つの主要治療領域のひとつであり、重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、循環器・腎・代謝疾患をもつ世界中の何百万人もの患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器およびその機能の再生の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

 

References
1. Mayo Clinic. Heart failure; 2017 [cited 2019 Aug 14]. Available from URL: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/heart-failure/symptoms-causes/syc-20373142.
2. Vos T et al. Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for 328 diseases and injuries for 195 countries, 1990–2016: A systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016. The Lancet 2017; 390(10100):1211–59.
3. Mozaffarian D et al. Circulation. 2016 Jan 26;133(4):e38-360 and the CDC: https://www.cdc.gov/dhdsp/data_statistics/fact_sheets/fs_heart_failure.htm.
4. Mamas, M. A., Sperrin, M., Watson, M. C., Coutts, A., Wilde, K., Burton, C., ... Myint, P. K. (2017). Do patients have worse outcomes in heart failure than in cancer? A primary care-based cohort study with 10-year follow-up in Scotland. European Journal of Heart Failure, 19(9), 1095-1104. https://doi.org/10.1002/ejhf.822
5. Bhuiyan, Taslima, and Mathew S Maurer. “Heart Failure with Preserved Ejection Fraction: Persistent Diagnosis, Therapeutic Enigma.” Current cardiovascular risk reports vol. 5,5 (2011): 440-449. doi:10.1007/s12170-011-0184-2
6. Azad, N., & Lemay, G. (2014). Management of chronic heart failure in the older population. Journal of Geriatric Cardiology: JGC, 11(4), 329-37.