アストラゼネカのアカラブルチニブ(Calquence)、新たな長期データを2018年米国血液学会で発表

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年12月3日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

2年の追加解析により、再発または難治性マントル細胞リンパ腫において
26カ月の奏功期間中央値を達成1

3年半時点で治療歴のない慢性リンパ性白血病の試験患者さんにおいて
97%の全奏効率を示す2

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)および当社の血液疾患領域研究開発の中核部門であるAcerta Pharmaは、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催中の第60回米国血液学会議(ASH)の学術集会においてアカラブルチニブの再発または難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)患者さんを対象とした新たな長期追跡結果と、未治療の慢性リンパ性白血病患者さんを対象とした単剤療法を検討する現在進行中の臨床試験の最新結果を発表しました。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「これら2つの臨床試験のデータにより、これまでの有効性の結果が改めて証明され、複数の血液がんにおけるアカラブルチニブの将来性を支持する多くのエビデンスが追加されました。これらの結果は、血液がん患者さんのための革新的な治療の発展を目指す当社の取り組みを強化する大変有望なものだと考えています」。

MCLにおけるアカラブルチニブの追加解析データ、有効性及び忍容性を示す
再発または難治性MCLにおける第II相ACE-LY-004試験の長期追跡データは2年以上(26カ月)の中央値追跡において、アカラブルチニブの持続的かつ臨床的に有意義な奏功を示し、本患者集団における本剤の有効性及び安全性プロファイルを立証しました1。本試験の初回データは2017年10月の米国食品医薬品局によるアカラブルチニブの迅速承認や、2018年11月のアラブ首長国連邦における米国以外での初承認の根拠となりました3,4

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのリンパ腫・骨髄腫部教授でありACE-LY-004 MCL試験の治験統括医師であるMichael L. Wang、MDは次のように述べました。「追加解析におけるアカラブルチニブの持続的奏功期間と安全性プロファイルがMCL患者さんにおいて長期にわたり一貫して維持されたことが証明されたことは非常に有意義な結果です。本治療薬の使用経験を積み重ねていくことで、再発または難治性MCLの治療選択肢としての同剤の重要性が臨床現場および患者さん全体においてさらに増していくでしょう」。

治験医による再発または難治性成人MCL1患者124例を対象としたアカラブルチニブの非盲検単群臨床試験の主な有効性結果の要約a

中央値追跡期間は26カ月であり、患者さんの40%が解析時にアカラブルチニブによる治療を継続中でした。本試験の探索的解析により検出不能な微小残存病変の状況が患者サブセットにおいて達成されたことが明らかになりました。

本試験において、最も頻度の高い有害事象(AEs; ≥ 20%、全グレード)は頭痛(38%)、下痢(36%)、疲労(28%)、咳(22%)および筋肉痛(21%)でした。これら有害事象の多くはグレード1または2でした。グレード3または4の有害事象(≥ 5%)は貧血(11%)、好中球減少(11%)および肺炎(6%)でした。13例の患者さん(10%)が4つのグレード3または4を含む16の心性の有害事象に罹患しました。(急性冠症候群、急性心筋梗塞、心肺停止、冠状動脈疾患)。心房細動の新たな発現はありませんでした。患者の33%が出血性の有害事象を発現し、最も高頻度な有害事象は挫傷(13%)であり、3例(2%、グレード3)を除くすべての出血の有害事象はグレード1または2でした。有害事象により10例の患者さんが治療を中止しました。合計で、有害事象による死亡が6例ありました(どの死亡例もアカラブルチニブには無関係であると見なされました)1

進行中のCLL臨床試験の新たなデータにより優れた有効性が証明される
第I/II ACE-CL-001試験の最新結果が本日のセッションにおいて発表されました。前治療歴のないCLL患者さんのコホートにおいて、長期安全性および有効性評価により高い奏効率が示されるとともに、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。試験期間中央値は42カ月で、患者さんの89%は解析時にアカラブルチニブによる治療を継続中でした2

オハイオ州立大学の名誉教授でありACE-CL-001 CLL臨床試験の治験統括医師であるJohn C. Byrd、MDは次のように述べました。「CLL治療において鍵となるチャレンジは患者さんが長期にわたり忍容性と有効性を享受できる治療を担保することです。本患者コホートにおける3年半の追跡時点で明らかになった結果は、奏功の持続性および治療の忍容性の両方の観点から有意義といえます。我々はCLL治療におけるアカラブルチニブを評価する進行中の試験の今後のデータに期待しています」。

治験医による前治療歴のないコホートを評価するCLL患者99例を対象とするアカラブルチニブの第I/II相非盲検単群ACE-CL-001試験の主な有効性に関する結果の要約2

本試験において、最も頻度の高い有害事象(≥ 20%、全グレード)は下痢(49%)、頭痛(44%)、上気道感染(40%)、挫傷(39%)、関節痛(33%)、体重増加(31%)、悪心(30%)および咳(23%)でした。グレード3または4の有害事象(≥ 5%)は好中球減少(8%)、高血圧(7%)、下痢(5%)および頭痛(5%)でした。心房細動と高血圧(全グレード)がそれぞれ患者さんの6%および17%に発現し、グレード3の有害事象が患者さんのそれぞれ2%および7%に発現しました。64%の患者さんにおいて出血性の有害事象が発現し、挫傷(39%)が最もよく見られました。3例を除くすべての出血性の有害事象はグレード1または2のイベントで、出血により治療を中止した患者さんはいませんでした。全体として、患者さんの11%が治療を中止し、うち5%は二次性悪性腫瘍(血管肉腫、多形成膠芽腫、小細胞肺がん)、敗血症(グレード4)および尿路感染(グレード3)を含む有害事象が原因でした。1例の肺炎患者さんのグレード5の有害事象(多臓器不全)が報告されましたが、アカラブルチニブとは無関係であると考えられました2

*アカラブルチニブは本邦未承認薬です。

以上

 

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Calquence(アカラブルチニブ)について
アカラブルチニブ はブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に対する選択的阻害剤であり、BTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します3。BTKシグナルはB細胞の増殖、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています3
アカラブルチニブは、2017年10月に米国食品医薬品局 (FDA)より1回以上の治療歴のある成人マントル細胞リンパ腫(MCL)患者さんの治療薬として迅速承認を取得しました。本適応症の今後の承認は確認試験による臨床的ベネフィットの検証および確認が条件となる可能性があります。アカラブルチニブは現在慢性リンパ性白血病 (CLL) の治療薬としては現在承認されていません。
アカラブルチニブは、2016年に欧州委員会より、2017年には米国FDAによりCLL、MCLおよびワルデンストレームマクログロブリン血症の治療薬として、希少疾病用医薬品の指定を受けました。また、アカラブルチニブは2017年8月に米国FDAより1回以上の治療歴のある成人マントル細胞リンパ腫(MCL)患者さんの治療薬として画期的治療薬指定を受けました。

*アカラブルチニブは本邦未承認薬です。

マントル細胞リンパ腫(MCL)について
マントル細胞リンパ腫(MCL)は、非通常型B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)です5,6,7。MCLは、西欧諸国では毎年、新規NHL患者の約3%~6%を占め、年間発現率は10万人あたり0.5人です。2016年に米国では、およそ3,300例の新規患者が診断されたと推定されています5,6。診断時の年齢の中央値は68歳であり5、性別では男性が女性よりも2倍以上多い疾患です7。MCL患者の場合、最初は治療に奏効しますが、再発率は高率です5

慢性リンパ性白血病 (CLL) について
CLLは成人白血病の最も一般的な種類であり白血病4例中1例を占めています9,10。診断時の平均年齢はおよそ70歳です10。CLLでは、骨髄中の過剰な血液幹細胞が異常なリンパ球となり、これらの異常細胞は、通常のリンパ球が有する感染症に対する防御力が障害されていることが知られています9。異常細胞数が増えるに従い、健全な白血球、赤血球および血小板が存在する余地が減ります。この結果、貧血、感染および出血が発生する可能性があります9。BTKを通るB細胞受容体のシグナルはCLLの基本的な増殖情報伝達経路のひとつです。

アストラゼネカにおける血液がん領域について
がん領域における強みを利用し、アストラゼネカは血液がんを4つの重点がん疾患領域のひとつとして確立しました。当社の血液がんフランチャイズは米国FDAにより承認された2つの治療薬と血液がん治療薬候補の広範なポートフォリオのための強固なグローバル開発プログラムを有しています。Acerta Pharmaはアストラゼネカの血液がん領域における中核的研究開発拠点としての役割を果たしています。アストラゼネカはアンメットニーズに応えるために治療薬の創薬及び開発を進展させるため、志を同じくするサイエンス志向の企業と提携しています。

2018年10月、アストラゼネカとInnate PharmaはInnate PharmaによるLumoxiti (moxetumomab pasudotox-tdfk) の米国におけるアストラゼネカのサポートを得ながらの商業化の権利の導入および、薬事申請や承認を控えるEUでの開発及び商業化の継続を含む世界的な戦略的提携を発表しました。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたOncologyを成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷応答および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

Acerta Pharma社について
Acerta Pharma社はアストラゼネカグループに属し、がんおよび自己免疫疾患の治療を目的とする新規の選択的治療薬を創製しています。Acerta Pharma社は、その株式の過半数を取得したアストラゼネカにおける血液がんの研究開発の中核的研究拠点となっています。詳細は、www.acerta-pharma.comをご覧ください。

メディミューンについて
メディミューンは、低分子化合物およびバイオ製剤の医療用医薬品の研究、開発および商業化に特化するグローバルなイノベーション志向のバイオ・医薬品企業アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発部門です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、オンコロジー、呼吸器、循環器・代謝疾患、および感染症・ワクチン等の重点疾患領域において新規治療経路の検討に取り組んでいます。メディミューンの本社は、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点のひとつとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあり、これに加え英国ケンブリッジおよび米国カリフォルニア州マウンテンビューにも研究所があります。詳細についてはhttps://www.medimmune.comをご覧ください。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

Reference
1.Wang M, Rule S, Zinzani PL, et al. Long-Term Follow-Up of Acalabrutinib Monotherapy in Patients With Relapsed/Refractory Mantle Cell Lymphoma. Poster presentation at: American Society of Hematology 2018 Annual Meeting; December 2018; San Diego, CA. Abstract #2876.
2.Byrd J, Woyach J, et al. Acalabrutinib in Treatment-Naïve (TN) Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL): Updated Results from the Phase 1/2 ACE-CL-001 Study. Oral presentation at: American Society of Hematology 2018 Annual Meeting; December 2018; San Diego, CA. Abstract #692.
3.CALQUENCE® (acalabrutinib) Prescribing Information. AstraZeneca Pharmaceuticals LP, Wilmington, DE.
4.Wang M, Rule S, Zinzani PL, et al. Acalabrutinib in relapsed or refractory mantle cell lymphoma (ACE-LY-004): a single-arm, multicentre, phase 2 trial. The Lancet. 2017;391(10121):659-667.
5.Cheah CY, Seymour JF, Wang M. Mantle Cell Lymphoma. Journal of Clinical Oncology. 2016;34(11):1256-1269.
6.Hoster E, Klapper W et al. Confirmation of the Mantle-Cell Lymphoma International Prognostic Index in Randomized Trials of the European Mantle-Cell Lymphoma Network. Journal of Clinical Oncology. 2014;32(13):1338-1346.
7.Zhou Y, Wang H, Fang W, et al. Incidence trends of mantle cell lymphoma in the United States between 1992 and 2004. Cancer. 2008;113(4):791-798.
8.Teras LR, DeSantis CE, Cerhan JR, et al. 2016 US lymphoid malignancy statistics by World Health Organization subtypes. CA Cancer J Clin. 2016;66:443-459.
9.National Cancer Institute. Chronic Lymphocytic Leukemia Treatment (PDQ®)–Patient Version. Available online. Accessed November 2018.
10.American Cancer Society. What are the key statistics for chronic lymphocytic leukemia? Available online. Accessed November 2018.