アストラゼネカのタグリッソ®(オシメルチニブ)、非小細胞肺がん1次治療後の獲得耐性メカニズムに関する新規データを発表、病勢進行後の治療選択肢を模索するORCHARD試験を開始

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年10月19日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

~第III相FLAURA試験にて最も高頻度な耐性メカニズムとして
MET増幅およびEGFR C797S変異陽性が示される~

2018年10月19日、アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)はドイツ・ミュンヘンにおいて開催中の第43回欧州臨床腫瘍学会の口頭レイトブレーキング抄録セッションにおいてタグリッソ(オシメルチニブ)第III相FLAURA試験の獲得耐性のメカニズムに関する、極めて重要な新規データを発表しました。タグリッソによる1次治療後に病勢進行した前治療歴のないEGFR変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんにおける最も高頻度に発現した耐性メカニズムとして、MET増幅および上皮成長因子受容体(EGFR)C797S遺伝子変異が確認されました。また、タグリッソ1次治療群においてEGFR T790M 変異の耐性獲得を示すエビデンスは予想通り存在しませんでした。

これらの結果に基づき、アストラゼネカは2018年10月19日タグリッソによる1次治療後に病勢が進行した進行NSCLC患者さんを対象とする非盲検多施設共同多剤併用第II相プラットフォーム試験であるORCHARD(Osimertinib Resistance CoHorts, Addressing 1L Relapse Drivers)試験の新規開始を発表しました。

アストラゼネカのシニアバイスプレジデント兼グローバル医薬品開発部門オンコロジー領域の責任者であるKlaus Edvardsenは次のように述べています。「当社はすべての病期においてあらゆるEGFR変異陽性NSCLC患者さんの生存期間を改善すべくサイエンスを探求しています。ORCHARD試験は耐性メカニズムの更なる解明およびタグリッソによる1次治療後の病期に対する新たな治療選択肢を模索することを目的としています」。

FLAURA試験の治験統括医師である、米国アトランタのエモリー大学Winship Cancer Instituteに所属するDr. Suresh S. Ramalingamは次のように述べています。「FLAURA試験によりEGFRm NSCLC患者さんの1次治療としてのオシメルチニブによる新たな標準治療の到来が告げられました。本日の結果は、耐性メカニズムのうち特にMET増幅およびEGFR C797Sを検討することで、オシメルチニブによる1次治療後の病勢進行に対する新たな治療選択肢を模索する、継続的な研究の方向性を示すものです」。

FLAURAサブグループの予備解析の結果により、タグリッソによる1次治療後の患者さんの血漿中から検出された最も高頻度な獲得耐性のメカニズムはMET増幅(15%)およびEGFR C797S変異(7%)で、次いでHER2増幅、PIK3CA及びRAS変異(2-7%)でした。比較対照のEGFR-TKI群においては、エルロチニブまたはゲフィチニブに対する最も高頻度な獲得耐性のメカニズムはEGFR T790M変異(47%)でした。

同学会で発表されたAURA3第III相試験の結果もFLAURA試験の結果と一貫していました。タグリッソによる2次治療後に病勢進行が見られた患者さんの血漿中から検出された最も高頻度な変異にはEGFR C797変異(15%;C797S n=10;C797G n=1)、MET増幅(19%)、HER2増幅 (5%)およびPIK3CA変異(5%)が示されました。

現在、タグリッソは転移性EGFRm NSCLC患者さんの1次治療として米国、日本および欧州を含む40以上の国々で承認を取得しています。他の地域においても規制当局による1次治療のデータの審査および規制当局への承認申請が進行中であり、中国における当局判断は2019年下半期に得られると予想されています。

以上

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EGFR遺伝子変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)について
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています。また、肺がんによる死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんによる死亡者合計を上回ります。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に分類され、患者さんの80-85%はNSCLCと分類されます。NSCLC患者さんのうちEGFR変異陽性の患者さんは、欧米で10-15%、アジアでは30-40%を占め、腫瘍細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害するEGFR-TKIによる治療に特に高い感受性を示します。EGFR変異陽性NSCLC患者さんの約25%は診断時に脳転移を有しており、診断後2年以内にその率は約40%に増加します。多くの場合、脳転移により生存期間中央値が8カ月未満へと低下します。

タグリッソについて
タグリッソ(オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、EGFR感受性変異およびEGFR T790M耐性変異の両方を阻害し、中枢神経系(CNS)転移に対する臨床活性を発揮するよう設計されています。現在、タグリッソ40mg錠および80mg錠1日1回経口投与は、EGFR変異陽性進行NSCLCの1次治療として米国と日本、欧州を含む40カ国以上で承認されており、EGFR T790M変異陽性進行NSCLCの2次治療として米国、EU、日本、中国および欧州諸国を含む80カ国以上で承認されています。また、タグリッソは術後補助療法(ADAURA試験)、切除不能な局所進行がん(LAURA試験)ならびに他の治療薬との併用療法においても現在開発中です。

FLAURA試験について
FLAURA試験は、前治療歴のない局所進行あるいは転移性EGFR変異陽性NSCLC患者さんを対象とし、タグリッソ80mg 1日1回投与の有効性および安全性を標準治療であるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(エルロチニブ[150mg1日1回経口投与]あるいはゲフィチニブ[250mg1日1回経口投与])と比較検討した試験です。本試験は、二重盲検無作為化試験であり、29カ国の556例の患者さんを対象としています。

ORCHARD試験について
ORCHARD試験はタグリッソによる1次治療後に病勢進行がみられた進行EGFRm NSCLC患者さんを対象とした非盲検多施設共同第II相プラットフォーム試験です。初期の試験は標的および非標的併用選択肢の両方を検討する複数の治療群を有する予定で、150例の患者登録を計画しています。FLAURA試験および他の試験によりタグリッソへの獲得耐性に関する知見の蓄積に伴い、新たな治療群が追加される可能性があります。

アストラゼネカにおける肺がんについて
アストラゼネカは、すべての病期および治療段階にわたって既承認薬および後期開発段階にある医薬品候補を含む肺がん治療薬の包括的なポートフォリオを有しています。当社の既承認薬であるイレッサ®およびタグリッソ®ならびに現在進行中の第III相ADAURA試験やLAURA試験を持って、EGFRm NSCLC患者さんのアンメットニーズに応えることを目指しています。

また、当社のがん免疫治療薬のポートフォリオには単剤療法(ADJUVANT、PACIFIC2、MYSTICおよびPEARL試験)および抗CTLA-4抗体であるトレメリムマブとの併用(MYSTIC、NEPTUNE、POSEIDON、CASPIAN試験)において開発中の抗PD-L1抗体であるイミフィンジ®が含まれます。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷応答および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。