アストラゼネカのフォシーガ、第Ⅲ相DELIVER試験で主要評価項目を達成し、駆出率が保持された慢性心不全患者の心血管死または心不全悪化のリスクを抑制

本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年5月5日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

第Ⅲ相DELIVER試験およびDAPA-HF試験の結果より
駆出率にかかわらず、フォシーガの慢性心不全に対する有効性が明らかに

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は第Ⅲ相DELIVER試験の結果を発表しました。本試験において、アストラゼネカのフォシーガ®(一般名:ダパグリフロジン、以下、フォシーガ)が、心血管(CV)死または心不全(HF)悪化の主要複合評価項目に関して統計学的に有意かつ臨床的に意義ある抑制を達成したことが示されました。本試験は、駆出率が軽度低下した、または保持された心不全患者さん(左室駆出率が40%超と定義)を対象に実施されました。

心不全は慢性かつ長期的な疾患であり、時間の経過とともに悪化します1。全世界で約6,400万人が罹患しており2、高い罹患率と死亡率を伴うことが特徴です3。駆出率(EF)は、心臓が収縮するごとに送り出される血液量の割合の測定値です。心不全は、駆出率低下を伴う心不全(HFrEF)(左室駆出率が40%以下)、駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)(左室駆出率が41%~49%)、および駆出率が保持された心不全(HFpEF)(左室駆出率が50%以上)といった複数の主要カテゴリーに分類されます4。駆出率が軽度低下し、または保持されているのは心不全の患者さん全体の約半数を占めていますが、この分類に該当する患者さんでは治療可能な選択肢がないのが現状です4,5。フォシーガは、2型糖尿病、1型糖尿病、慢性心不全*、および慢性腎臓病の治療を適応として、既に承認を取得しています。

ハーバード大学医学部およびブリガム・アンド・ウィメンズ病院の内科学教授で、第Ⅲ相DELIVER試験の主任治験責任医師を務めるDr. Scott Solomonは次のように述べています。「治療の選択肢がほとんどない対象患者さんの集団で主要評価項目を達成できたことに、私たちは大きな喜びを感じています。DELIVER試験は、駆出率が軽度低下した、または保持された心不全を対象に現在まで実施された試験の中で、最大規模かつ最も幅広い患者さんを対象とした試験です。DELIVER試験の結果によって、ダパグリフロジンのベネフィットをお届けできる範囲があらゆる種類の心不全患者さんまで広がりました」。

アストラゼネカのバイオファーマ研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは、次のように述べています。「今回の結果は、DAPA-HF試験の結果とともに、フォシーガは駆出率にかかわらず心不全の治療に有効であることを示しています。これらのデータは、糖尿病、慢性腎臓病または慢性心不全のいずれかを有する患者さん全体でフォシーガに心腎保護作用が認められた私たちの過去の研究に基づくものです」。

本試験におけるフォシーガの安全性および忍容性プロファイルは、これまでに十分に確立されているフォシーガの安全性プロファイルと一致しました。

本試験の詳細結果は、今後開催される学術集会で発表されます。また、今後数カ月以内に規制当局へ承認申請される予定です。

以上

*フォシーガ錠5mg/フォシーガ錠10mg添付文書5.5(左室駆出率の保たれた慢性心不全における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること)

*****

心不全について
心不全は、世界全体で患者さんが約6,400万人(少なくとも半数は左室駆出率低下を有する)と推定される疾患です2。治療中の成人患者数は、EUが約1,500万人7、米国が600万人8、中国が1,370万人に達します9。駆出率は、心臓が収縮するごとに送り出される血液量の割合の測定値です。駆出率に関連する心不全は、HFrEF(左室駆出率が40%以下)、HFmrEF(左室駆出率が41%~49%)およびHFpEF(左室駆出率が50%以上)といった複数の主要カテゴリーに分類されます1,4。駆出率が40%を超える心不全は、心不全の症例全体の約半数を占めており、高血圧、2型糖尿病、肥満、代謝症候群または慢性腎臓病の患者さんにおいて高い有病率がみられます4,5,10。心不全は今日においても、罹患率が最も高い男性のがん(前立腺がん、膀胱がん)および女性のがん(乳がん)と同様に死亡に至る疾患です11。慢性心不全は、65歳以上で入院する方の理由として最も多い疾患で、臨床的および経済的に大きな負担となっています12

DELIVER試験について
DELIVER試験は、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者さんの治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価するようにデザインされた、国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、イベント主導型第Ⅲ相試験です。フォシーガは、基礎治療[ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の併用を除く、糖尿病や高血圧などのすべての併存疾患に対する地域の標準治療]への追加治療として1日1回投与されました13。DELIVER試験は、駆出率が40%超の心不全患者さんを対象に実施された最大の臨床試験であり、6,263例の患者さんが無作為化されました13,14

主要評価項目は、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診のいずれかが最初に発生するまでの期間としました。副次評価項目は、心不全イベント(心不全による入院または心不全による緊急受診)および心血管死の総数、8カ月時点でのカンザスシティ心筋症質問票(Kansas City Cardiomyopathy Questionnaire)の総症状スコアのベースラインからの変化量、心血管死までの期間、ならびに原因を問わない死亡までの期間などです13

フォシーガについて
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回経口投与によって使用するファーストインクラスのSGLT2阻害剤です。フォシーガでは、研究により、心腎疾患に対する抑制効果、ならびに、心臓、腎臓および膵臓の基本的な関連性を背景に、重要な知見である臓器保護効果が示されています15-17。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器が機能しなくなり、2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病といった、全世界の主要な死因となる病気を引き起こします2,18-20

フォシーガは、米国において、成人2型糖尿病における血糖コントロール改善のための食事および運動療法の補助療法として承認されたほか、第Ⅲ相DECLARE-TIMI 58 CVアウトカム試験の結果に基づき、標準治療への追加療法で、成人2型糖尿病における心不全入院および心血管死のリスク低下の適応を取得しています17。フォシーガはまた、第Ⅲ相DAPA-HF試験および第Ⅲ相DAPA-CKD試験の結果に基づき、HFrEFの治療薬、そして、慢性腎臓病の治療薬としても承認されました。フォシーガは、欧州連合において、成人2型糖尿病患者さんの食事および運動療法の補助療法として、コントロール不十分な2型糖尿病に対する単剤療法(メトホルミンが適切な場合)および併用療法の一環の適応を取得し、体重減少と血圧低下の追加的ベネフィットも認められています。さらに、フォシーガは、2型糖尿病の有無を問わない成人における症候性慢性HFrEFの治療薬、および2型糖尿病の有無を問わない成人における慢性腎臓病の治療薬としても承認されています。

“DAPA Care”は、フォシーガの心血管、腎、臓器保護作用を評価する一連の臨床プログラムです。終了済みおよび進行中の試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第Ⅱb/Ⅲ相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。またフォシーガは、現在、急性心筋梗塞(MI)または心臓発作発症後の非2型糖尿病患者さんを対象とした第Ⅲ相DAPA-MI試験が進行中です。DAPA-MI試験は、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験です21

アストラゼネカの循環器・腎・代謝(CVRM)領域について
バイオファーマの一部である循環器・腎・代謝(CVRM)は、アストラゼネカの主要治療領域の一つであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、世界の何百万人もの患者さんの心血管系の健康と、治療を改善する革新的なサイエンスを継続的に提供し、CVRM疾患の自然経過の緩和もしくは抑制、将来的には臓器の再生と機能の維持の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については
https://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
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