アストラゼネカのフォシーガ、心血管疾患の既往の有無に関わらず、慢性腎臓病患者の心血管および腎臓への効果を示す

本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年11月13日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

フォシーガ(ダパグリフロジン)は、第Ⅲ相DAPA-CKD試験の新たなサブグループ解析において、心血管疾患既往の有無に関わらず、糖尿病合併および非合併の慢性腎臓病患者の腎機能の悪化、心血管死または腎不全による死亡による主要複合評価項目を、プラセボと比較して39%低下させました。ベースライン時に心血管疾患既往のある患者および既往のない患者の絶対リスク低下は、それぞれ6%および5%でした(交互作用のp値=0.90)1

本サブグループ解析は、ベースライン時に心血管疾患既往のない患者(一次予防の患者:試験参加者の37.4%)および既往のある患者(二次予防の患者:試験参加者の62.4%)を対象に、試験の主要評価項目である腎機能の悪化、心血管死または腎不全による死亡、ならびに副次評価項目を評価しました。ベースライン時において、二次予防患者は、一次予防患者より高齢で、男性、喫煙者が多く、平均収縮期血圧とBMIが高い特徴がありました。加えて、心血管疾患既往のある患者は、既往のない患者よりも2型糖尿病を有する割合が高い傾向がありました1

英国グラスゴー大学循環器医学研究所心臓血管研究センター、DAPA-CKD試験実行委員会の委員のJohn McMurray医学博士は、次のように述べています。「本解析の結果より、最もリスクの高い患者群であっても、腎不全への進行、心血管死、心不全による入院のリスクの低下、ならびに生存期間の延長という、ダパグリフロジンによる一貫した効果があることが示されました」。

バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは、次のように述べています。「この試験では、慢性腎臓病患者さんが、全死亡を含む有害な心血管および腎イベントのリスクが高いことを改めて強調しています。私達は、ダパグリフロジンが、心血管疾患既往の有無に関わらず、患者さんに一貫した効果をもたらし、より健康な生活をより長く送ることができるよう治療に貢献することを楽しみにしています」。

ダパグリフロジンの安全性および忍容性はこれまで確認された安全性プロファイルと一致していました。

本結果は、2020年米国心臓協会学術集会で発表され、Circulationに掲載されました。DAPA-CKD試験の結果は今年8月に公表し、The New England Journal of Medicineに掲載されました

また2020年10月には、ダパグリフロジンは、米国にて、2型糖尿病合併の有無に関わらない慢性腎臓病を対象に、ブレークスルーセラピーに指定されました。

なお、本邦において、ダパグリフロジンは、慢性腎臓病を効能・効果とする承認は取得していません。

以上

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慢性腎臓病について
慢性腎臓病(CKD)は、腎機能の低下を伴う、重篤な進行性の疾患で、世界で約7憶人の患者がいると言われていますが2,3、その多くはまだ診断されていない状態にあります4,5。腎機能の低下は、eGFRの低下、あるいは腎臓の障害を示唆する指標の変化、もしくはその両方が、最低3カ月間認められた場合と定義されます2。CKDを発症する最も一般的な原因疾患は、糖尿病、高血圧、糸球体腎炎です6。CKDは高い有病率や、心不全や若年死7をもたらす心血管イベントリスクの増加に関与しています3。CKDの最も重篤な状態は末期腎不全(ESKD)と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、血液透析や腎移植を必要とする状態となります8。CKD患者さんの多くはESKDになる前に心血管系の原因によって死亡しています9

DAPA-CKD試験について
DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、慢性腎臓病ステージの2~4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,304例の慢性腎臓病患者さんを対象に、ダパグリフロジン10mg投与による有効性と安全性をプラセボと比較検討した、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験です。ダパグリフロジン は1日1回、慢性腎臓病の標準治療に追加投与されました。ダパグリフロジンは、腎機能の悪化もしくは心血管死または腎不全による死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)による主要複合評価項目を、プラセボと比べて39%低下させました(中央値2.4年の試験において絶対リスク減少[ARR]=5.3% p値<0.0001)。この結果は、2型糖尿病合併の有無に関わらず一貫していました。ダパグリフロジンはまた、全死亡死因を含む全ての副次評価項目(腎機能の複合評価項目であるeGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、腎不全による死亡、心血管死または心不全による入院による複合評価項目)を達成し、全死因死亡のリスクをプラセボに比べて31%低下させました(ARR = 2.1%, p=0.0035) 10

フォシーガについて
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、経口1日1回投与で単剤療法および併用療法の一環として使われる、ファーストインクラスの選択的SGLT2阻害剤です。成人2型糖尿病患者の食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロールの改善を適応とし、体重減少と血圧低下の副次的作用を有しています。2型糖尿病患者さんを対象とするDECARE-TIMI58心血管アウトカム試験では、ダパグリフロジンは標準治療への追加療法において、プラセボと比較して、心不全による入院または心血管死の複合評価項目におけるリスクを低下しました。

2020年5月、ダパグリフロジンは、米国で、2型糖尿病合併の有無に関わらず左室駆出率が低下した成人心不全(NYHA心機能分類:II~IV)の心血管死および心不全による入院のリスク低下に対する承認を取得しました。また現在、ダパグリフロジンでは、心不全患者を対象としたDELIVER試験(左室駆出率が保持された心不全:HFpEF)およびDETERMINE試験 (HFrEFおよびHFpEF)が進行中です。また、急性心筋梗塞(MI)または心臓発作発症後の非2型糖尿病患者を対象としたDAPA-MI試験が進行中です。DAPA-MI試験は、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験です。フォシーガの強固な臨床プログラムは、終了済みの試験を含め35,000例以上の患者を対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝 (CVRM) 領域について
循環器・腎・代謝 (CVRM)  はアストラゼネカの主要治療領域のひとつであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、循環器・腎・代謝 疾患をもつ世界中の何百万人もの患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器およびその機能の再生の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・自己免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. McMurray J. Effect of dapagliflozin on clinical outcomes in patients with chronic kidney disease, with and without cardiovascular disease. presented at: AHA Scientific Sessions 2020, November 13–17, 2020.
2. Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) CKD Work Group. KDIGO 2012 clinical practice guideline for the evaluation and management of chronic kidney disease. Kidney International Supplement 2013; (3):1–150.
3. Bikbov B et al. Global, regional, and national burden of chronic kidney disease, 1990–2017: A systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. The Lancet 2020; 395(10225):709–33.
4. Hirst JA et al. Prevalence of chronic kidney disease in the community using data from OxRen: A UK population-based cohort study. Br J Gen Pract 2020; 70(693):e285-e293.
5. National Kidney Foundation. Kidney Disease: The Basics; 2020 [cited 2020 Sep 23]. Available from: URL: https://www.kidney.org/news/newsroom/factsheets/KidneyDiseaseBasics.
6. National Kidney Foundation. Kidney Disease: Causes; 2015 [cited 23 September 2020]. Available from: URL: https://www.kidney.org/atoz/content/kidneydiscauses
7. Segall L et al. Heart failure in patients with chronic kidney disease: A systematic integrative review. Biomed Res Int 2014; 2014:937398.
8. Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Chronic Kidney Disease in the United States, 2019; 2019 [cited 2020 Oct 1]. Available from: URL: https://www.cdc.gov/kidneydisease/publications-resources/2019-national-facts.html.
9. Briasoulis A, Bakris GL. Chronic Kidney Disease as a Coronary Artery Disease Risk Equivalent. Current Cardiology Reports 2013; 15(3):340.
10. McMurray JJV et al. Dapagliflozin in Patients with Heart Failure and Reduced Ejection Fraction. N Engl J Med 2019; 381(21):1995–2008.

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