アストラゼネカのビレーズトリエアロスフィア、第III相ETHOS試験において中等度または重度のCOPD増悪率を大幅に抑制

本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年6月24日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

試験データはNew England Journal of Medicineに掲載

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、6月24日、中等度から最重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者さんを対象とする第III相ETHOS試験の良好な結果を発表しました。本試験において、アストラゼネカの3剤配合治療薬であるビレーズトリ™エアロスフィア® (一般名:ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物、以下、ビレーズトリ)が、2剤配合治療薬と比較して、主要評価項目である中等度あるいは重度の増悪率を統計学的有意に抑制することが示されました1

ビレーズトリは、ビベスピ™エアロスフィア® (グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物、以下、ビベスピ)との比較で、増悪率を24%抑制(p<0.001)、PT009(ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物)との比較で13%抑制(p=0.003)させました。本試験において対照薬として用いられた2剤配合治療薬は、COPD治療に推奨されている薬効群に含まれる薬剤です2

また、副次評価項目において、52週時の累積死亡率はビレーズトリ群で1.3%、ブデゾニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物群で1.6%、ビベスピ群で2.3%でした。

本試験のデータはNew England Journal of Medicine1に掲載され、同時に、米国胸部学会バーチャルサイエンスシンポジウム「肺疾患の医学における臨床試験データ」で発表されました3。アストラゼネカは、引き続きこれらのデータを規制当局と検討する予定です。

ETHOS試験の治験調整医師で、独キール大学呼吸器内科学教授、Clinic Grosshaansdorf呼吸器学科長のKlaus Rabe氏は次のように述べています。「第III相のETHOS試験の結果は重要であり、この進行性疾患において増悪率を抑制させるビレーズトリの有益性を示しています。また、この試験の結果からは、ビレーズトリにより死亡率の低下が示唆されるものであり、COPDにおける治療目標を変えられる可能性があることも示しています」。

バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「COPDは世界の死因第3位であり、増悪の発生がCOPD患者さんの死亡率上昇に関係する可能性があります。第Ⅲ相ETHOS試験のデータは、2剤配合治療薬と比較して増悪率を抑制させるビレーズトリの強力な臨床的プロファイルを裏付けています。また、私たちはCOPD症状管理の主要検討事項である全死因による死亡率に関するデータが得られたことを大変喜んでいます」。

ビレーズトリの安全性および忍容性は、比較対照とした2剤配合治療薬2製品のこれまでのプロファイルと一貫していました。本試験で最も頻繁に報告された有害事象は鼻咽頭炎、慢性閉塞性肺疾患および上気道感染でした。肺炎の発症率はビレーズトリで4.2%、ビベスピで2.3%、PT009で4.5%でした。

これらの結果は、ブデソニド標準用量のビレーズトリ(吸入ステロイド薬[ICS]であるブデソニド320mcg、グリコピロニウム臭化物14.4mcg、ホルモテロールフマル酸塩水和物9.6mcg)に基づいています。本試験では、ブデソニド標準用量の半用量のビレーズトリ(ブデソニド160mcg、グリコピロニウム臭化物14.4mcg、ホルモテロールフマル酸塩水和物9.6mcg)においても、ビベスピ(グリコピロニウム臭化物14.4mcg、ホルモテロールフマル酸塩水和物9.6mcg)およびPT009(ブデソニド320mcg、ホルモテロールフマル酸塩水和物9.6mcg)の2剤と比較して、中等度または重度の増悪率の統計学的に有意な抑制が示されました1

ビレーズトリは、日本および中国でCOPD患者さんの治療薬として承認されています。また、同剤は米国およびEUにおいても当局の審査中です。

なお、本試験で使用されたブデソニド標準用量の半用量を配合したビレーズトリとPT009は、本邦において未承認です。

以上

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)について
COPDは、肺の気流閉塞により息切れが起き、体力が消耗する進行性の疾患です2。COPDは世界中で推定3億8,400 万人に影響を与え4、世界の死因第3位です5。肺機能の改善、増悪の減少、また、息切れなどの日常的な症状を管理することが、COPDの重要な治療目標です2。COPDが悪化するだけで、著しい肺機能の低下6、生活の質の大幅な低下7、平均余命の大幅な短縮、死亡リスク増加につながる可能性があります8,9

ETHOSおよびATHENA臨床試験プログラムについて
ETHOS試験は、過去1年間の増悪経験がある中等症から最重症COPD患者さんを対象に、ビレーズトリの有効性と安全性を評価した、多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較52週持続投与試験です。ETHOS試験の主要評価項目は、中等度または重度の増悪率です。

ビベスピは長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)のグリコピロニウムと、長時間作用性β2刺激薬(LABA)のホルモテロールフマル酸塩水和物を加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)に定量配合した2剤配合の気管支拡張剤です。PT009は、吸入ステロイド薬(ICS)のブデソニドとLABAのホルモテロールフマル酸塩水和物を1つの吸入デバイスに定量配合した2剤配合治療薬で、ビレーズトリの臨床試験における対照薬として開発されました。

ETHOS試験は、過去1年間に1回以上の中等度あるいは重度の増悪経験があり、試験登録時に2つ以上の吸入剤による維持治療を受けていた8,500例を超える患者さんを対象として実施されました。

ETHOS試験は、ATHENA臨床試験プログラムの1つです。ATHENA臨床試験プログラムは、アストラゼネカが実施するビレーズトリに関する第III相臨床試験プログラムで、全世界で11の試験に1万5,500例を超える患者さんを対象に行われています。先立って行われた第III相KRONOS試験のデータはLancet Respiratory Medicineに掲載されています10

ビレーズトリエアロスフィア(一般名:ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物)について
ビレーズトリは、単一吸入器によるブデソニド、グリコピロニウム臭化物(LAMA)、ホルモテロールフマル酸塩水和物(LABA)の3剤定量配合吸入薬です。
アストラゼネカは、Pearl Therapeutics Inc.買収契約の条件に基づき、ビレーズトリがCOPD治療薬として米国で薬事承認取得した際に、1億5,000万ドルのマイルストーンの支払いを想定しています。この支払が、同契約に基づく開発・薬事マイルストーンに関する最後の支払いとなります。

アストラゼネカの呼吸器・自己免疫疾患領域について
呼吸器・自己免疫疾患はアストラゼネカが注力する疾患領域のひとつで、当社にとって重要な成長の原動力です。
アストラゼネカは呼吸器疾患治療の確固たるリーダーとして、2019年には5,300万人以上の患者さんに吸入薬および生物学的製剤をお届けしました。当社は50年の歴史を基盤として、生物学的製剤を中心とした早期治療に着目し、予防可能な喘息発作をなくして喘息およびCOPD治療を革新的に向上させ、COPDを死因の上位3位から除くことを目指しています。また、当社の初期の呼吸器領域研究では、疾患や神経機能不全における免疫機構、肺損傷および異常細胞修復プロセス等の新たなサイエンスに焦点を当てています。
アストラゼネカは、呼吸器疾患と自己免疫疾患に共通する経路と基礎疾患ドライバーを足掛かりに、慢性肺疾患から自己免疫疾患領域まで網羅する研究に注力していきます。また、リウマチ疾患(全身性エリテマトーデスを含む)、皮膚疾患、消化器疾患、全身性好酸球性疾患をはじめ、複数疾患につながる可能性がある5つの中期~後期フランチャイズに焦点を当て、自己免疫疾患領域におけるプレゼンスを高めています。当社は、呼吸器・自己免疫疾患領域において、世界中の数百万人もの患者さんの疾患改善と持続的な寛解を達成することを目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・自己免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Rabe KF, Martinez FJ, Ferguson GT, et al. Inhaled Triple Therapy at Two Glucocorticoid Doses in Moderate-to-Very Severe COPD. NEJM 2020; published on June 24, 2020, at NEJM.org. DOI: 10.1056/NEJMoa191604.
2. GOLD. Global Strategy for the Diagnosis, Management and Prevention of COPD, Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) 2020. [Online]. Available at: http://goldcopd.org. [Last accessed: June 2020].
3. Rabe KF. Inhaled Triple Therapy at Two Glucocorticoid Doses in Moderate-to-Very Severe COPD: The ETHOS Study. ATS Scientific Symposium. Breaking News: Clinical Trial Results in Pulmonary Medicine. June 24, 2020.
4. Adeloye D, Chua S, Lee C, et al. Global Health Epidemiology Reference Group (GHERG). Global and regional estimates of COPD prevalence: Systematic review and meta-analysis. J Glob Health. 2015; 5 (2): 020415.
5. Quaderi SA, Hurst JR. The unmet global burden of COPD. Glob Health Epidemiol Genom. 2018; 3: e4. Published 2018 Apr 6. doi:10.1017/gheg.2018.1
6. Halpin DMG, Decramer M, Celli BR, et al. Effect of a single exacerbation on decline in lung function in COPD. Respiratory Medicine 2017; 128: 85-91.
7. Roche N, Wedzicha JA, Patalano F, et al. COPD exacerbations significantly impact quality of life as measured by SGRQ-C total score: results from the FLAME study. Eur Resp J. 2017; 50 (Suppl 61): OA1487
8. Ho TW, Tsai YJ, Ruan SY, et al. In-Hospital and One-Year Mortality and Their Predictors in Patients Hospitalized for First-Ever Chronic Obstructive Pulmonary Disease Exacerbations: A Nationwide Population-Based Study. PLOS ONE. 2014; 9 (12): e114866.
9. Suissa S, Dell’Aniello S, Ernst P. Long-term natural history of chronic obstructive pulmonary disease: severe exacerbations and mortality. Thorax. 2012; 67 (11): 957-63.
10. Ferguson GT, Rabe KF, Martinez FJ, et al. Triple combination of budesonide/glycopyrrolate /formoterol fumarate using co-suspension delivery technology versus dual therapies in chronic obstructive pulmonary disease (KRONOS): a double-blind, parallel-group, randomised controlled trial. Lancet Respir Med. 2018; 6: 747–758.