ステージⅣ非小細胞肺がん患者さんにおける、イミフィンジとトレメリムマブ併用療法の第Ⅲ相NEPTUNE試験の結果について

本資料はアストラゼネカ英国本社が2019年8月21日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、8月21日に第Ⅲ相NEPTUNE試験における全生存期間(OS)の最終結果を発表しました。本試験は治療歴のないステージⅣの非小細胞肺がん(転移性がん)患者さんにおける、イミフィンジとトレメリムマブの併用療法と、標準治療(SoC)であるプラチナ製剤ベースの化学療法を比較する無作為化、非盲検、多施設間国際共同第III相試験です。本試験は、腫瘍変位量に関わらずステージIVの非小細胞肺がん患者さん(無作為割付け)を対象に実施し、主要解析対象集団は腫瘍変異量(TMB)が高い患者さんです。TMBは、腫瘍のゲノム(DNA)内の変異数を測定するものであり、TMBレベルの高い腫瘍は免疫システムにより見つけられやすくなります1,2

血中TMBが20mut/Mb以上の変異を有する患者さんを対象とした主要解析対象集団では、イミフィンジとトレメリムマブの併用療法は標準治療の化学療法と比較して、OSを統計学的に有意に延長するという主要目的は達成できませんでした。イミフィンジとトレメリムマブ併用療法の安全性および忍容性は、これまでに行われた試験の安全性プロファイルと同様でした。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるJosé Baselgaは次のように述べています。 「転移性非小細胞肺がん患者さんに対する免疫腫瘍学的アプローチの改善に向けたさらなる見識を得るために、本試験から得られた膨大な臨床およびバイオマーカーに関する広範なデータの解析に全力で取り組みます」。

アストラゼネカでは、本試験の詳細な結果を今後の学会で発表する予定です。

また、イミフィンジに対しては、ステージIVのNSCLCにおけるがん免疫療法の後期開発プログラムの一環として、単剤療法で第Ⅲ相PEARL試験、化学療法との併用または化学療法およびトレメリムマブとの併用で第Ⅲ相POSEIDON試験も進行中です。

以上

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NEPTUNE試験について
NEPTUNE試験は、ステージⅣ(転移)NSCLC患者さんのファーストライン治療におけるイミフィンジとトレメリムマブの併用療法と、標準治療であるプラチナ製剤ベースの化学療法を比較する無作為化、非盲検、多施設間国際共同第III相試験です。試験には、非扁平上皮がん、または扁平上皮がんの患者さん、上皮成長因子受容体(EGFR)または未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)変異がなく、全てのレベルのPD-L1発現が見られる患者さんが組み入れられました。主要評価項目は血中TMBが20MuT/μL以上と定義された患者さんの全生存期間です。

本試験は米国、ヨーロッパ、中南米、中東およびアジアを含む29カ国、200以上の施設で実施されました。

ステージⅣの非小細胞肺がんについて
肺がんは男女共にがんによる死因の主な原因であり、がんによる死亡の約5分の1を占めています3 。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別され、80-85%がNSCLCと診断されます4。ステージⅣは肺がんの症状が最も進行した状態で、転移性肺がんとも呼ばれます5。肺がん患者さんは、がんが最初に発生した部位である肺から離れた臓器に転移した状態になってから肺がんと診断される場合が多くあります6。がんが転移した患者さんの予後は特に不良で、診断後の5年生存率はわずか10%です7

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは切除不能なステージIII NSCLCの治療薬として米国、日本、EUを含む49カ国において第III相PACIFIC試験に基づき承認されています。また、治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬としても米国、カナダ、ブラジル、オーストラリア、イスラエル、インド、アラブ首長国連邦、カタール、マカオおよび香港において承認されています。

様々ながん腫を対象とした開発プログラムの一環として、イミフィンジは、NSCLC、小細胞肺がん、膀胱がん、頭頸部がん、肝臓がん、子宮頸がん、胆道がんおよびその他の固形がんの治療として、単剤療法ならびに、抗CTLA-4モノクローナル抗体であるトレメリムマブ(遺伝子組換え)および新規薬剤との併用療法においても検討されています。

トレメリムマブ(遺伝子組換え)について
トレメリムマブ(遺伝子組換え)は開発中の新薬で、細胞傷害性T-リンパ球抗原4(CTLA-4)の活性を標的とするヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4の作用を阻害し、T細胞の活性化に寄与し、がんに対する免疫反応を増強します。トレメリムマブ(遺伝子組換え)はイミフィンジとの併用療法として、NSCLC、尿路上皮がん、頭頸部扁平上皮がん、肝細胞がんおよび血液がんに対する臨床試験プログラムにおいて検討中です。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、さまざまな病期おける異なる組織型の肺がん、治療法、作用機序に対して、承認済みおよび後期臨床開発段階の新薬候補を含め、包括的なポートフォリオを有しています。欧米では10-15%、アジアでは30-40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しており、既承認薬イレッサおよびタグリッソの提供や、現在進行中の第III相試験である、ADAURA、LAURA、FLAURA、FLAURA2および第II相併用投与試験であるSAVANNAH、ORCHARDによって得られる新たなエビデンスを通じて、遺伝子変異を持つ患者さんのアンメットニーズに応えることを目指しています8-10

また、当社の広範ながん免疫療法の後期開発プログラムは、すべての肺がん患者さんのおよそ75%にあたる既知の遺伝子変異を持たない患者さんを対象にしています11 。免疫療法ポートフォリオには、PD-L1抗体であるイミフィンジ単剤療法、およびトレメリムマブ(遺伝子組換え)および/または化学療法との併用療法が含まれ、病勢進行が認められた患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(NEPTUNE、POSEIDON、PEARLおよびCASPIAN)、治癒の可能性がある初期段階の患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(AEGEAN、PACIFIC-2、ADRIATIC、術後補助療法のBR.31、PACIFIC-4、およびPACIFIC-5)が現在進行中です。

がん免疫療法(IO)に対するアストラゼネカの取組みについて
IOはヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカおよび当社のバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療薬により支えられています。当社は、IOに基づく治療は大多数の患者さんの人生に変革をもたらすがん治療となる可能性を提供するものと信じています。

当社は、患者さんにとって最善となる治療の方向性を見極める決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを使用し、複数のがん腫、病期、および治療の段階におけるイミフィンジ(抗PD-L1抗体)単剤療法およびトレメリムマブ(遺伝子組換え)(抗CTLA-4抗体)との併用療法における包括的な臨床プログラムを追求しています。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたOncologyを成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. ESMO. “Tumour Mutational Load: ESMO Biomarker Factsheet.” Available at:https://oncologypro.esmo.org/Education-Library/Factsheets-on-Biomarkers/Tumour-Mutational-Load  Date Accessed: August 2019.
2. Huang A, et al. T-cell invigoration to tumour burden ratio associated with anti-PD-1 response. Nature. 2017;454:60-65.
3. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Available at http://globocan.iarc.fr/Pages/fact_sheets_population.aspx. Accessed August 2019.
4. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed August 2019.
5. Cancer.Net. Lung Cancer – Non-Small Cell: Stages. Available at https://www.cancer.net/cancer-types/lung-cancer-non-small-cell/stages. Accessed August 2019.
6. Ridge C, et al. Epidemiology of Lung Cancer. Semin Intervent Radiol. 2013;30:93-98.
7. Cancer.Net. Lung Cancer - Non-Small Cell - Statistics.” Available at www.cancer.net/cancer-types/lung-cancer-non-small-cell/statistics. Accessed August 2019.
8. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
9. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
10. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
11. Pakkala, S, et al. Personalized therapy for lung cancer: striking a moving target. JCI Insight. 2018;3(15):e120858.