イミフィンジ®、第III相MYSTIC試験によりステージIVの非小細胞肺がん1次治療における臨床活性を証明

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年12月13日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

血中の腫瘍遺伝子変異量(TMB)に基づきTMB高値と免疫療法による
全生存期間延長との関連性が示された最初の第III相試験データ

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])および当社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンは、スイスのジュネーブで開催された2018年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)がん免疫療法会議において第III相MYSTIC試験の全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)に関するデータを発表しました。MYSTIC試験は、前治療歴のないステージIV(転移性)非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象としてイミフィンジ®(遺伝子組み換え、一般名:デュルバルマブ)(以下、「イミフィンジ®」)単剤療法またはイミフィンジ®と抗CTLA-4抗体であるトレメリムマブの併用療法と、白金製剤を用いた標準化学療法とを比較検討した試験です1

試験結果によりイミフィンジ®単剤療法はOS(ハザード比(HR)0.76(97.54%信頼区間 0.564-1.019; 名目p値=0.036))において主要解析患者集団であるがん細胞の25%以上にPD-L1が発現していた腫瘍を有する患者さんに臨床活性があることが実証されましたが、本結果は統計学的有意差には到達しませんでした。2年時点での生存割合は標準化学療法群の22.7%に対しイミフィンジ®単剤療法群では38.3%でした。標準化学療法群の患者さんのうち39.5%は、化学療法後に免疫療法を受けていたにもかかわらずこの差異が認められました。イミフィンジ®とトレメリムマブの併用療法はPFSおよびOSのどちらの主要評価項目も達成しませんでした。これらデータの要約は下記の通りです。

新規バイオマーカーを用いた探索的解析
予め規定された血液中の腫瘍遺伝子変異量(bTMB)の探索的解析により、メガベースあたり16以上の変異と定義されたbTMB高値はイミフィンジ®単剤療法およびイミフィンジ®とトレメリムマブとの併用療法においてOSの延長と関連していることが示されました。bTMB高値の患者さんにおいて、併用療法は標準化学療法群に比べて38%死亡リスクを低減し(HR 0.62, 95%信頼区間 0.451-0.855)、単剤療法群のOS HRは標準化学療法群との比較で0.80でした(95%信頼区間 0.588-1.077)。これらの予備データは全患者さんの72.4%に相当する809検体をもとにしています。本解析はNSCLC患者さんを対象に米国食品医薬品局により画期的医療機器指定が最近付与されたGuardant Health社の極めて侵襲性の低い診断検査を用いて判定される血漿ベースのTMBスコアを使用しました2。追加のbTMB解析は今後の国際学会において発表すべく準備を進めています。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発部門がん免疫治療領域の責任者であるHesham Abdullahは次のように述べました。「PD-L1およびTMB両方の役割を完全に解明し、当社のがん免疫治療薬によってベネフィットが得られる可能性のある患者さんの選択に役立てるため、引き続き熱意をもってサイエンスを追求していきます。当社は前治療歴のないステージIVのNSCLC患者さんにおいて、イミフィンジ®単剤療法が抗PD-1クラスの薬剤と一貫した活性が見られることは有望であると考えています。本探索的解析で認められた血中TMB高値と免疫療法に対する反応との明らかな関連性は更なる検討を行うに値することが分かりました」。

MYSTIC試験の治験責任医師であるNaiyer A. Rizviは次のように述べました。「NSCLC患者さんの約40%を占めるTMB高値の転移性がん患者さんが、併用免疫療法により生存期間が延長する可能性があることが判明したことは有望です。これらの早期データにより、免疫療法の力を解き放ちがんとの闘いに役立てるため、腫瘍特異的な性質をより良く理解する必要があることが明確になりました。MYSTIC試験の更なるTMBに基づく解析を楽しみにしています」。

MYSTIC試験のイミフィンジ®およびイミフィンジ®とトレメリムマブとの併用療法の安全性ならびに忍容性プロファイルは過去の試験と一貫していました。イミフィンジ®の単剤療法群患者さんの40.4%がグレード3もしくは4の有害事象(AE)を経験したのに対し、イミフィンジ®とトレメリムマブの併用療法群患者さんでは47.7%、化学療法群患者さんでは46.0%でした。患者さんの5.4%が治験薬に関連した有害事象が原因でイミフィンジ®を中止したのに対し、併用療法群患者さんの13.2%ならびに化学療法群患者さんの9.4%がそれぞれの治療を中止しました。

イミフィンジ®は米国、EUおよび日本を含む40カ国以上において、PACIFIC試験に基づき切除不能なステージIII NSCLC患者さんの治療薬として承認されています3-8。ステージIV NSCLC患者さんを対象にイミフィンジ®を評価する一連の第III相試験が現在進行中です8,9

以上

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MYSTICについて
MYSTIC試験は、上皮成長因子受容体(EGFR)および未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)野生型進行性又は転移性(ステージIV)NSCLC患者さんの1次治療において、イミフィンジ®(デュルバルマブ)単剤療法またはイミフィンジ®とトレメリムマブの併用療法を、白金製剤を用いた標準化学療法と比較した多施設共同無作為化非盲検国際第III相試験です1

本試験は、米国、カナダ、欧州、ロシア、オーストラリアならびに日本、韓国、タイ、台湾およびベトナムを含むアジアの一部を含む、17カ国の167医療機関において実施されました。主要評価項目には併用療法に関しては無増悪生存期間(PFS)、単剤療法および併用療法に関しては全生存期間(OS)が含まれていました1

イミフィンジ®について
イミフィンジ®(デュルバルマブ)はヒトPD-L1に対するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します3,10-13

イミフィンジ®は切除不能なステージIII NSCLCの治療薬として米国、EUおよび日本を含む40カ国以上において第III相PACIFIC試験に基づき承認されています3-8。また、イミフィンジ®は前治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬としても米国、カナダ、ブラジル、イスラエル、インド、アラブ首長国連邦、オーストラリアおよび香港において承認されています8,9

広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジ®は、NSCLC、小細胞肺がん(SCLC)、膀胱がん、頭頸部がんならびにその他の固形がんの治療として、単剤療法ならびに、抗CTLA-4モノクローナル抗体であるトレメリムマブおよび新規薬剤との併用療法においても検討されています8,9

トレメリムマブについて
トレメリムマブは細胞傷害性T-リンパ球抗原4(CTLA-4)の活性を標的とする開発中の新薬候補であるヒトモノクローナル抗体です。トレメリムマブはCTLA-4の作用を阻害し、T細胞の活性化に寄与し、がんに対する免疫反応を増強します14。トレメリムマブはイミフィンジ®との併用療法で、NSCLC、SCLC、膀胱がん、頭頸部がん、肝臓がんおよび血液がんにおける広範な臨床試験プログラムにおいて検討中です8,9

ステージIV NSCLCについて
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています。また、肺がんによる死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんによる死亡者合計を上回ります15。肺がんはNSCLCとSCLCに大別され、患者さんの80-85%がNSCLCに分類されます16。ステージIVは、最も進行したがんであり転移がんとされます。ステージIVの患者さんの約85%は診断時に肺以外の臓器にがんが転移しています17。診断後に5年間生存するのはこれら患者さんの僅か10人に1人であることから、予後は特に悪いとされています18

肺がんにおけるアストラゼネカについて
アストラゼネカはすべての病期および治療段階にわたる既承認薬および後期開発段階にある医薬品候補を含む肺がん治療薬の包括的なポートフォリオを有しています8,9。当社は、当社の既承認薬であるイレッサ®およびタグリッソ®ならびに現在進行中のFLAURA、ADAURA、LAURAの第III相試験を持って、欧米のNSCLC患者さんの10-15%に、アジアにおけるNSCLC患者さんの30-40%に発現する疾患のドライバー遺伝子としてのEGFR変異陽性腫瘍を有する患者さんのアンメットニーズに応えることを目指しています8,9,19-21

当社の広範ながん免疫療法の後期開発プログラムは、全肺がん患者さんの最大50%にあたる既知の遺伝子変異を持たない肺がん患者さんを対象にしています22。抗PD-L1抗体であるイミフィンジ®は、単剤療法として(ADJUVANT、BR.31、PACIFIC-2、PACIFIC-5およびPEARL第III相試験)および抗CTLA-4抗体であるトレメリムマブとの併用において(NEPTUNE、POSEIDON、ADRIATIC、CASPIAN第III相試験)において検討中です8,9

がん免疫療法(IO)に対するアストラゼネカの取組みについて
IOはヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです23。アストラゼネカおよび当社のバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療薬により支えられています8,9。当社は、IOに基づく治療は大多数の患者さんの人生に変革をもたらすがん治療となる可能性を提供するものと信じています。

当社は、患者さんにとって最善となる治療の方向性を見極める決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを使用し、複数のがん腫、病期、および治療の段階におけるイミフィンジ®(抗PD-L1抗体)単剤療法およびトレメリムマブ(抗CTLA-4抗体)との併用療法における包括的な臨床プログラムを追求しています。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります8,9

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある、急速に拡大しつつある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたオンコロジー領域をアストラゼネカの成長基盤として進展させることに注力しています8,9。中核となる成長基盤に加え、当社は、血液学領域におけるAcerta Pharma社への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

メディミューンについて
メディミューンは、低分子化合物およびバイオ製剤の医療用医薬品の研究、開発および商業化に特化するグローバルなイノベーション志向のバイオ・医薬品企業アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発部門です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、オンコロジー、呼吸器、循環器・腎・代謝疾患、および感染症・ワクチン等の重点疾患領域において新規治療経路の検討に取り組んでいます。メディミューンの本社は、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点のひとつとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあり、これに加え英国ケンブリッジおよび米国カリフォルニア州サウスサンフランシスコにも研究所があります。詳細についてはhttps://www.medimmune.comをご覧ください。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください

References
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