アストラゼネカのフォシーガ、DECLARE-TIMI58試験で、幅広い2型糖尿病患者さんにおける心不全による入院または心血管死のリスク低下を示す

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年11月10日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

フォシーガはプラセボと比較してMACE事象が少なかったものの
統計学的有意性は示さず

(手足の一部)切断、骨折、膀胱がん、壊疽性筋膜炎(フルニエ壊疽)の発現頻度おいて
フォシーガ群はプラセボ群に対する差異を示さず

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は11月10日、SGLT2阻害剤フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン、米国での製品名:Farxiga、以下、フォシーガ)の大規模な心血管アウトカム試験(CVOT)であるDECLARE-TIMI58試験(以下、DECLARE試験)の良好な全試験結果を発表しました。本結果は、米イリノイ州・シカゴで開催中の米国心臓協会(AHA)学術集会2018において、レイトブレイキングアブストラクト(#19485)で発表され、同時にNew England Journal of Medicineに掲載されました1

DECLARE(Dapagliflozin Effect on Cardiovascular Events[心血管系イベントに及ぼすダパグリフロジンの影響])試験は、世界33カ国の17,000名超の患者さんを対象にした、SGLT2阻害剤の心血管アウトカム試験で、これまでで最も大規模なものです。主要評価項目の一つである心不全による入院または心血管死の複合評価では、フォシーガ群はプラセボ群に対して、有意に17%のリスクを減少しました(4.9% vs. 5.8%; ハザード比[HR] 0.83 [95%信頼区間(CI):0.73-0.95], p=0.005)。心不全による入院または心血管死の減少は、心血管リスクを有する患者群ならびに心血管疾患の既往歴のある患者群を含むすべての患者群において一貫して認められました。

さらに、もう一つの主要評価項目である主要心血管イベント(MACE)は、フォシーガ群で発現頻度は少なかったものの、統計学的な有意差は認められませんでした(フォシーガ群8.8%  vs.プラセボ群 9.4%; HR 0.93 [95% CI:0.84-1.03], p=0.17)。

DECLARE試験の安全性の主要評価項目である、心血管死、心筋梗塞または虚血性脳卒中を含む複合評価項目のMACEにおいて、フォシーガ群はプラセボ群と比較してリスクを増加させず、プラセボ群に対する非劣性を示し、これまでに確立されたフォシーガの安全性プロファイルと一貫した結果が確認されました。

さらに次の安全性の評価項目の発現頻度は、フォシーガ群とプラセボ群の間に差異は認められませんでした:(手足の一部)切断(1.4% vs. 1.3%)、骨折(5.3% vs. 5.1%)、膀胱がん(0.3% vs. 0.5%)、壊疽性筋膜炎(フルニエ壊疽)(1例 vs. 5例)。また、糖尿病性ケトアシドーシス(0.3% vs. 0.1%)および性器感染(0.9% vs. 0.1%)の発現頻度はいずれもわずかでした。

アストラゼネカのバイスプレジデント兼グローバル医薬品開発部門循環器・代謝疾患領域の責任者であるElisabeth Björkは以下のように述べています。「本試験結果は、全世界4億2500万人の糖尿病患者さんの実際の治療に関連した結果です。2型糖尿病患者さんは、心筋梗塞や虚血性脳卒中の高い発症リスクとともに、健康な人の2~5倍の心不全発症リスクを抱えています。心不全は、診断から5年後の生存率が50%であることからも、今回の試験結果は、血糖コントロールにとどまらないより広い理解をもつという意味で大変重要で、それにより、重篤で見過ごされがちな心血管疾患の合併症をより適切に対応することができるでしょう。」

副次的評価項目は名目上の有意差ではありますが、腎の複合評価項目においては、対象となった広範な患者さんにおいてフォシーガ群はプラセボ群に対して、腎症の新規発症率または悪化率を24%減少しました(4.3% vs. 5.6%; HR 0.76 [95% CI:0.67-0.87])1。また、全死亡はフォシーガ群においてより低い頻度でした(6.2% vs. 6.6%; HR 0.93 [95% CI:0.82-1.04])。

なお、本邦においてフォシーガの心血管イベント、心血管死、心不全の抑制、もしくは慢性腎臓病治療薬としての適応はありません。

以上

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DECLARE-TIMI58試験について
DECLARE(Dapagliflozin Effect on Cardiovascular Events[心血管系イベントに及ぼすダパグリフロジンの影響])-TIMI58試験は、アストラゼネカが実施する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験で、複数の心血管リスク因子、あるいは、心血管疾患の既往歴を有する患者さんを含む、CVイベントリスクが高い成人2型糖尿病患者さんを対象に、フォシーガによる治療が及ぼす影響をプラセボとの比較で評価しました。DECLARE試験には、日本を含む世界33カ国882施設から17,000例超の患者さんが登録され、TIMI試験グループ(米・マサチューセッツ州ボストン)がHadassah Hebrew大学メディカルセンター(イスラエル・エルサレム)と協力し、独立して実施されました。

DapaCareについて
DECLARE試験は、フォシーガのDapaCare臨床プログラムの一つで、様々な作用機序に関する試験を含む無作為化臨床試験に患者さんを登録しています。また、複数国で実施したリアルワールドエビデンス研究(CVD-REAL研究)によって裏付けられています。DapaCare臨床プログラムでは、2型糖尿病合併・非合併の、心血管リスク因子を有する患者さん、心血管疾患の既往歴を有する患者さん、およびさまざまなステージの腎疾患を有する患者さんなど、広範にわたるデータを創出します。DECLARE試験に続く第III相試験は、Dapa-HF、DELIVER、Dapa-CKDの3つです。なお、フォシーガは、心血管イベント、心血管死、心不全の抑制、もしくは慢性腎臓病治療薬としての適応はありません。

フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)について
フォシーガは、ナトリウム・グルコース共輸送体2に作用するファーストインクラスの選択的阻害剤(SGLT2阻害剤)で、成人2型糖尿病患者さんの食事、運動療法の補助治療としての血糖コントロールの改善を適応として、経口1日1回投与で単剤療法または併用療法の一環として使用されます。フォシーガの強固な臨床プログラムは、終了済みの試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されています。フォシーガは、現在までに180万患者年以上に処方されました。なお、本邦において本剤の心血管イベント、心血管死、心不全の抑制、もしくは慢性腎臓病治療薬としての適応はありません。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝領域(CVRM)について
循環器・腎・代謝疾患はアストラゼネカの主要治療領域のひとつであり、重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、CVRM 疾患をもつ世界中の何百万人もの患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器及びその機能の再生の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Wiviott S.D et al. ‘Dapagliflozin and Cardiovascular Outcomes in Type 2 Diabetes’. The New England Journal of Medicine. DOI https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1812389