アストラゼネカの呼吸器領域生物学的製剤ファセンラの慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する第III相試験GALATHEA試験の最新情報を発表

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年5月11日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


COPD患者さんを対象とした第III相試験GALATHEA試験の
主要評価項目である増悪の統計学的に有意な減少を示さず
現在進行中の2つ目の第III相試験TERRANOVA試験結果は
本四半期後半に発表見込み

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)と同社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンは、中等症から最重症の慢性閉塞性肺疾患(以下、COPD)の成人患者さんを対象としたファセンラ(一般名:ベンラリズマブ(遺伝子組換え)、以下、ファセンラ)の第III相試験GALATHEA試験のトップライン結果を511日に発表しました。GALATHEA試験において、COPD患者さんの増悪を統計学的に有意に減少するという主要評価項目を達成しませんでした。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは、「COPDは、現在の吸入療法を受けていてもなお症状の管理が十分でない患者さんにとって、アンメットニーズが非常に大きく耐え難い疾患です。当社はTERRANOVA試験の結果を待ち、両試験の全結果を評価して、COPD治療におけるファセンラの次のステップを決定してまいります」と、述べました。

主要第III相試験GALATHEA試験とTERRANOVA試験は、ベースラインにおいて幅広い血中好酸球数を示し、増悪歴がある中等症から最重症のCOPD患者さんを対象に、2剤併用、あるいは3剤併用の吸入療法に対する追加療法としてファセンラを投与する群とプラセボ投与群を、56週間にわたり比較する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験です1

GALATHEA試験における安全性および忍容性の結果は、ファセンラのこれまでの試験で認められた結果と一致していました。全結果の評価は進行中で、結果は今後開催される学術会議に提出される予定です。

ファセンラはアストラゼネカ初の呼吸器領域の生物学的製剤であり、現在、米国、EU、日本およびその他数カ国において、重症喘息に対する追加療法として承認されています。なお、日本での適応は「気管支喘息(既存の治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」です。

承認済みの重症喘息の適応に対する本試験結果の影響はありません。

以上

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)について
COPD
は進行性疾患で、肺の気流閉塞を引き起こし、消耗性の息切れ症状を呈するようになります2COPDは世界中で推定38,400 万人に影響を与え、2020年までに死因の第3位になると予測されています2,3COPD患者さんの約3分の1は、最初の診断で重症あるいは最重症であると診断されます4。呼吸機能の改善や増悪の減少、また、息切れなどの日常的な症状を管理することがCOPD治療において重要です2
3
剤併用療法(吸入ステロイド[ICS]、長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬[LAMA]、および長時間作用性β2刺激薬 [LABA])を受けている中等症から重症のCOPD患者さんの30~40%は、症状コントロールが不十分で、増悪が起きています5,6COPDの増悪によって、患者さんのQOLは著しく低下し、疾患の進展、呼吸機能のさらなる低下や頻繁な入院につながり死にも至ります7,8,9

ファセンラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:べンラリズマブ(遺伝子組換え))について
ファセンラは、
ADCC(抗体依存性細胞傷害)活性により、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)が、血中、気道の好酸球を速やかにかつほぼ完全に除去するモノクローナル抗体です10,11。第I相試験により、血中好酸球が24時間以内に速やかに除去されることが確認されています10,11,12
ファセンラは、アストラゼネカ初の呼吸器疾患の生物学的製剤で現在、米国、
EU、日本、カナダ、オーストラリアにおいて承認され、その他数カ国で承認申請中です。
ファセンラは、協和発酵キリンの完全出資子会社である
BioWa社から導入され、アストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンと協和発酵キリンにより開発されました。アストラゼネカは日本・アジア諸国における喘息・COPDの販売権と、日本・アジア諸国以外の世界市場におけるすべての開発販売権を所有しています。

VOYAGERプログラムについて
VOYAGER
プログラムは、アストラゼネカが約4000名のCOPD患者さんを対象に実施中のファセンラの第III相臨床試験プログラムで、世界最大級のCOPD生物学的製剤開発プログラムです13VOYAGERプログラムには、GALATHEA試験とTERRANOVA試験の2つの試験が含まれ、ベースラインにおいて幅広い血中好酸球数を示し増悪歴がある、中等症から最重症のCOPD患者さんに対する、ファセンラによる治療を評価します13

アストラゼネカにおける呼吸器疾患について

呼吸器疾患はアストラゼネカの注力疾患領域のひとつで、製品ポートフォリオは年々成長し、
2017年には世界中の1,800万人以上の患者さんに当社製品をお届けしました。アストラゼネカは、吸入配合剤を中心に、特定の疾患治療のアンメットニーズに応える生物学的製剤や、疾患原因を解明する革新的なサイエンスを通じて、喘息およびCOPD治療を向上させることを目指しています。
アストラゼネカは、呼吸器領域における
40年の歴史をさらに発展させており、当社の吸入器技術はドライパウダー吸入器(DPI)、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)、ならびにAerosphere Delivery Technologyなどに及びます。また、当社の生物学的製剤には、現在好酸球性の重症喘息治療薬として承認されたファセンラ(抗好酸球、抗IL-5受容体ɑ抗体)、および第IIb相試験の主要評価項目と副次評価項目を達成し、第IIIPATHFINDER臨床試験を実施中の tezepelumab(抗TSLP抗体)が含まれます。アストラゼネカは、肺上皮組織、肺免疫および肺再生に焦点を当てた、基礎疾患のドライバーを解明する研究に注力しています。

メディミューンについて

メディミューンは、アストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門として、低分子化合物およびバイオ製剤の医療用医薬品の研究、開発および商業化に特化する、グローバルなイノベーション志向のバイオ医薬品企業です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、オンコロジー、呼吸器疾患、循環器・代謝疾患、感染症・ワクチン等の領域において、新しい治療経路を検討しています。メディミューンの本社は、アストラゼネカの
3つのグローバル研究開発拠点のひとつとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあり、これに加え英国ケンブリッジおよび米国カリフォルニア州マウンテンビューにも研究所があります。詳細は https://www.medimmune.com をご覧ください。

アストラゼネカについて

アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、自己免疫疾患、ニューロサイエンスおよび感染症の領域における一部の疾患に関する活動も行っています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはwww.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・代謝/消化器疾患、呼吸器疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社については
www.astrazeneca.co.jpをご覧ください。

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