アストラゼネカのタグリッソ、EGFR 変異陽性非小細胞肺がんの1次治療として、欧州医薬品評価委員会(CHMP)より肯定的見解を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年4月27日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


既存の標準治療の10.2カ月に対し、かつてない18.9カ月の無増悪生存期間を示したFLAURA試験データに基づき、勧告を取得


欧州医薬品庁の医薬品評価委員会(CHMP)は肯定的見解を採択し、タグリッソ(オシメルチニブ)の販売承認内容を一部変更し、上皮成長因子受容体(EGFR)の活性化変異を有する局所進行もしくは転移性非小細胞肺がん(NSCLC)成人患者さんの1次治療を適応症として追加することを勧告しました。本勧告は、2017年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次学会において発表されたとともにNew England Journal of Medicineに掲載された第III相FLAURA試験の結果に基づくものです。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「今回の肯定的な勧告は、欧州のEGFR変異陽性NSCLC患者さんにとってタグリッソが1次治療における新たな標準治療になる可能性を認めるものです。これは、中枢神経系転移の有無に関わらず、すべての既定の患者サブグループにおいて、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤対照群との比較で、タグリッソが統計学的に有意かつ臨床的に意味のある無増悪生存期間の改善を達成したことを示すFLAURA試験データが、強固であることを反映しています」。

タグリッソの安全性データは、過去の臨床試験で認められたデータと一貫していました。タグリッソのグレード3以上の有害事象の発現率は標準治療であるEGFR-TKIよりも低率であり(34%対45%)、同剤の忍容性は良好でした。全患者さんによく見られた有害事象は発疹(タグリッソ群58%[グレード3以上:1.1%]対対照群78%[グレード3以上:6.9%])、下痢(タグリッソ群58%[グレード3以上:2.2%]対対照群57%[グレード3以上:2.5%])、および乾燥皮膚(タグリッソ群36%[グレード3以上:1%未満]対対照群36%[グレード3以上:1.1%])でした。

CHMPの本肯定的見解は今後欧州連合加盟28カ国およびアイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインにおける医薬品の承認権限を有する欧州委員会により審査されます。タグリッソはEGFR変異(エクソン19欠失型もしくはエクソン21 L858R置換型変異)を有する転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの1次治療として、先月米国で承認されました。欧州連合に加え、タグリッソは日本においても1次治療としての使用が薬事審査中であり、当局判断は2018年下半期と予想されます。また、その他の国々の薬事当局による審査および承認申請の提出も進行中です。

※タグリッソの1次治療は本邦未承認です。

以上

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非小細胞肺がんについて
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています。また、肺がんによる死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんによる死亡者合計を上回ります1。NSCLC患者さんのうちEGFR変異陽性の患者さんは、欧米で10-15%、アジアでは30-40%を占め2,3,4、腫瘍細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害する既存のEGFR-TKIによる治療に特に高い感受性を示します5。しかし、腫瘍はほとんどの場合、薬剤耐性を生じ、その結果、病勢が進行します6。既承認のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブ、エルロチニブおよびアファチニブによる治療を受けている患者さんの約半分において、EGFR T790M耐性変異によりこの薬剤耐性が発生します。また、EGFR変異陽性NSCLC患者さんの約25%は診断時に脳転移を有しており、診断後2年以内にその率は約40%に増加することから、より高い中枢神経系の有効性を持つ薬剤に対するニーズも存在します7

タグリッソについて
タグリッソ(オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、EGFR感受性変異およびEGFR T790M耐性変異の両方を阻害し、中枢神経系転移に対する臨床活性を発揮するよう設計されています8。タグリッソ40mg錠および80mg錠1日1回経口投与は、EGFR変異陽性進行NSCLCの1次治療として米国およびブラジルで承認されており、EGFR T790M変異陽性進行NSCLCの治療薬として米国、EU、日本、中国を含む75カ国以上で承認されています。また、タグリッソは術後補助療法ならびに他の治療薬との併用療法においても現在検討中です9,10

FLAURA試験について
FLAURA試験は、前治療歴のない局所進行あるいは転移性EGFR変異陽性NSCLC患者さんを対象とし、タグリッソ80mg1日1回投与の有効性および安全性を標準治療であるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(エルロチニブ[150mg1日1回経口投与]あるいはゲフィチニブ[250mg1日1回経口投与])と比較検討した試験です。本試験は、二重盲検無作為化試験であり、29カ国の556例の患者さんを対象としています。11

アストラゼネカにおける肺がんについて
アストラゼネカは、すべての肺がん患者さんに貢献できる治療薬の開発に努めています。当社は、承認済の3つの治療薬に加えて、腫瘍細胞の遺伝子変異を標的とするものやがんに対する免疫応答を増強するものなど成長著しいパイプラインを有しています。当社は、サイエンスの限界に挑戦し続けることで、肺がんのすべてのステージおよびすべての治療ラインにおいて患者さんの延命に寄与し、生活の質を改善する画期的な治療をもたらすことを目指しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に上市を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたOncologyをアストラゼネカの成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

Reference:
1.  American Cancer Society. Key Statistics for Lung Cancer. Available at https://www.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung-cancer/about/key-statistics.html. Accessed November 2017.
2.  Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
3.  Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
4.  Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
5.  Langer CJ, et al. Epidermal Growth Factor Receptor Inhibition in Mutation-Positive Non-Small-Cell Lung Cancer: Is Afatinib Better or Simply Newer? J Clin Oncol. 2013:31(27);3303-05.
6.  Yu HA, et al. Analysis of Tumour Specimens at the Time of Acquired Resistance to EGFR-TKI Therapy in 155 Patients with EGFR-Mutant Lung Cancer. Clin Cancer Research. 2013:19(8);2240-46.
7.  Rangachari, et al. Brain Metastases in Patients with EGFR-Mutated or ALK-Rearranged NonSmall-Cell Lung Cancers. Lung Cancer. 2015;88,108–111
8.  Cross DAE, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014:4;1046-61.
9.  National Institutes of Health. AZD9291 Versus Placebo in Patients With Stage IB-IIIA Non-small Cell Lung Carcinoma, Following Complete  Tumour Resection With or Without Adjuvant Chemotherapy (ADAURA). Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02511106. Accessed November 2017.
10. National Institutes of Health. AZD9291 in Combination With Ascending Doses of Novel Therapeutics. Available at:https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02143466. Accessed November 2017
11. Ramalingam S, et al. Osimertinib vs SoC EGFR-TKI as First-Line Treatment in Patients with EGFRm Advanced NSCLC (FLAURA). Presented at the European Society for Medical Oncology (ESMO) 2017 Congress, 8-12 September 2017, Madrid, Spain.