アストラゼネカのタグリッソ、EGFR 変異陽性非小細胞肺がんの1次治療として、米国食品医薬品局(FDA)より承認取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年4月18日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


~タグリッソによる1次治療が新たな標準治療を提供する可能性~
~既存の標準治療の10.2カ月に対し、かつてない18.9カ月の無増悪生存期間を達成~


アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2018年4月18日、タグリッソ (一般名:オシメルチニブ)が米国食品医薬品局(FDA)により承認された検査方法によって検出された上皮成長因子受容体 (EGFR)変異 (エクソン19欠失型もしくはエクソン21 L858R 置換型変異)を有する転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの1次治療として、FDAから承認を取得したことを発表しました。本承認は、2017年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次学会において発表されたとともにNew England Journal of Medicineに掲載された第III相FLAURA試験の結果に基づくものです。

アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジービジネスユニットの責任者であるデイヴィド・フレドリクソンは次のように述べています。「本日のFDAによる1次治療としてのタグリッソの承認は、患者さん並びに当社にとって素晴らしいマイルストーンになりました。タグリッソは、中枢神経系(CNS)転移の有無に関わらず、すべての既定の患者サブグループ解析においてかつてない無増悪生存期間中央値を達成しており、今後、より多くの患者さんが、タグリッソによる治療によって腫瘍の増殖あるいは転移なしにより長く生活することが可能となります」。

FLAURA試験の国際調整医師である米国アトランタのエモリー大学ウィンシップがん研究所のSuresh S. Ramalingam医師は次のように述べました。「1次治療としてのオシメルチニブの承認は、EGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんの治療に大きな進展とパラダイムシフトをもたらします。オシメルチニブは、現在の1次治療薬であるEGFR阻害剤との比較で、想定外の安全性シグナルはなく、確かな無増悪生存期間の延長をもたらします」。

FLAURA試験は、前治療歴のない局所進行あるいは転移性EGFR遺伝子変異陽性(EGFRm) NSCLC患者さんを対象とし、タグリッソを現在の1次治療であるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤 (TKIs) のエルロチニブあるいはゲフィチニブと比較検討した試験です。タグリッソは主要評価項目である無増悪生存期間 (PFS)を達成しました(下記参照)。タグリッソのPFS結果は、中枢神経系転移の有無に関わらず、すべての既定の患者サブグループ解析において一貫した結果が示されました。全生存期間は、最終PFS解析の時点では、予定のイベント数に未到達な状況でした。

FLAURA試験におけるタグリッソの安全性データは、過去の臨床試験で認められたデータと一貫していました。タグリッソの忍容性は全般的に良好であり、タグリッソ投与群の患者さんの34%にグレード3以上の有害事象 (AEs) が発現し、対照群の患者さんにおいてその割合は45%でした。タグリッソ治療群の患者さんにおいてよく見られた有害事象 (20%以上) は下痢 (58%), 発疹 (58%), 乾燥皮膚 (36%), 爪毒性 (35%), 口内炎 (29%), 疲労 (21%) および食欲減退 (20%) でした。

米国において、タグリッソはEGFR-TKIによる1次治療中あるいは治療後に病勢が進行し、FDAにより承認された検査により検出された2次変異であるT790M変異を発現した転移性EGFRm NSCLC患者さんの2次治療として既に承認されています。2017年、タグリッソは1次治療として画期的治療薬指定ならびに優先審査品目指定を米国FDAにより付与されました。また、タグリッソは欧州連合および日本において1次治療としての使用が薬事審査中であり、当局判断は2018年下半期と予想されています。

タグリッソは、2018年4月16日、FLAURA試験データに基づきEGFRm NSCLC患者さんの1次治療としてブラジルで初の承認を取得しました。

※タグリッソの1次治療は本邦未承認です。

以上

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非小細胞肺がんについて
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています。また、肺がんによる死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんによる死亡者合計を上回ります1。NSCLC患者さんのうちEGFR変異陽性の患者さんは、欧米で10-15%、アジアでは30-40%を占め2,3,4、腫瘍細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害する既存のEGFR-TKIによる治療に非常に高い感受性を示します5。しかし、腫瘍はほとんどの場合、薬剤耐性を生じ、その結果、病勢が進行します6。既承認のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブ、エルロチニブおよびアファチニブによる治療を受けている患者さんの約半分において、T790Mによりこの薬剤耐性が発生します。また、EGFR変異陽性NSCLC患者さんの約25%は診断時に脳転移を有しており、診断後2年以内にその率は約40% に増加することから、より高い中枢神経系の有効性を持つ薬剤に対するニーズも存在します7

タグリッソについて
タグリッソ (オシメルチニブ) は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、EGFR感受性変異およびEGFR T790M耐性変異の両方を阻害し、中枢神経系転移に対する臨床活性を発揮するよう設計されています8。タグリッソ40mg錠および80mg錠1日1回経口投与は、EGFR 変異陽性進行NSCLCの1次治療として米国およびブラジルで承認されており、EGFR T790M 変異陽性進行NSCLCの治療薬として米国、EU、日本、中国を含む75カ国以上で承認されています。また、タグリッソは術後補助療法ならびに他の治療薬との併用療法においても現在検討中です9,10

FLAURA試験について
FLAURA試験は、前治療歴のない局所進行あるいは転移性EGFR変異陽性NSCLC患者さんを対象とし、タグリッソ80mg1日1回投与の有効性および安全性を標準治療であるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤 (エルロチニブ [150mg 1日1回経口投与] あるいはゲフィチニブ [250mg 1日1回経口投与])と比較検討した試験です。本試験は、二重盲検無作為化試験であり、29カ国の556例の患者さんを対象としています11

アストラゼネカにおける肺がんについて
アストラゼネカは、すべての肺がん患者さんに貢献できる治療薬の開発に努めています。当社は、承認済の3つの治療薬に加えて、腫瘍細胞の遺伝子変異を標的とするものやがんに対する免疫応答を増強するものなど成長著しいパイプラインを有しています。当社は、サイエンスの限界に挑戦し続けることで、肺がんのすべてのステージおよびすべての治療ラインにおいて患者さんの延命に寄与し、生活の質を改善する画期的な治療をもたらすことを目指しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に上市を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたOncologyをアストラゼネカの成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

Reference:
1. American Cancer Society. Key Statistics for Lung Cancer. Available at https://www.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung-cancer/about/key-statistics.html. Accessed November 2017.
2. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
3. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
4. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
5. Langer CJ, et al. Epidermal Growth Factor Receptor Inhibition in Mutation-Positive Non-Small-Cell Lung Cancer: Is Afatinib Better or Simply Newer? J Clin Oncol. 2013:31(27);3303-05.
6. Yu HA, et al. Analysis of Tumour Specimens at the Time of Acquired Resistance to EGFR-TKI Therapy in 155 Patients with EGFR-Mutant Lung Cancer. Clin Cancer Research. 2013:19(8);2240-46.
7. Rangachari, et al. Brain Metastases in Patients with EGFR-Mutated or ALK-Rearranged NonSmall-Cell Lung Cancers. Lung Cancer. 2015;88,108–111
8. Cross DAE, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014:4;1046-61.
9. National Institutes of Health. AZD9291 Versus Placebo in Patients With Stage IB-IIIA Non-small Cell Lung Carcinoma, Following Complete  Tumour Resection With or Without Adjuvant Chemotherapy (ADAURA). Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02511106. Accessed November 2017.
10. National Institutes of Health. AZD9291 in Combination With Ascending Doses of Novel Therapeutics. Available at:https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02143466. Accessed November 2017
11. Ramalingam S, et al. Osimertinib vs SoC EGFR-TKI as First-Line Treatment in Patients with EGFRm Advanced NSCLC (FLAURA). Presented at the European Society for Medical Oncology (ESMO) 2017 Congress, 8-12 September 2017, Madrid, Spain.