アストラゼネカのタグリッソ、EGFR変異陽性非小細胞肺がん患者さんの1次治療において、病勢進行後の持続的改善効果を示す

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年4月13日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


FLAURA試験により示されたタグリッソ1次治療の前例のない無増悪生存期間
改善効果はその後の治療ラインにおいても持続
 

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2018年4月13日、上皮成長因子受容体 (EGFR) 変異陽性、局所進行あるいは進行転移非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの1次治療におけるタグリッソ(一般名:オシメルチニブ)の有用性および安全性を検討した第III相国際共同FLAURA試験の探索的解析の新たな病勢進行後のアウトカムデータを発表しました。ジュネーブで開催された欧州肺がん学会(European Lung Cancer Conference:ELCC)の“Best of ELCC”セッションにおけるプレゼンテーションで、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKIs)であるエルロチニブまたはゲフィチニブよりも優れたタグリッソ1次治療の無増悪生存期間(PFS)の改善効果は病勢進行後のアウトカムよりも維持されたことが示されました[抄録 #128O]。

アストラゼネカグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーのSean Bohenは次のように述べています。「FLAURA試験の新たな分析により、タグリッソによる1次治療が後続治療後も2次進行または死亡リスクをほぼ半減する持続効果を持つことが分かりました。これらの結果は、臨床的に意味のあるタグリッソのPFS改善効果を補完し、タグリッソによる1次治療が新たな標準治療となる可能性を後押しするものと考えます」。

EGFR-TKI対照群の患者さんと比較し、データカットオフの時点で治療を中止していた患者さんの数は、タグリッソ1次治療群のほうが少なく(49%対77%)、対照群の患者さんの46%が後続治療を受けたのに対し、タグリッソ1次治療群ではその割合は29%でした。初回後続治療または死亡までの中央値は、タグリッソ1次治療群の患者さんでは23.5カ月(95%信頼区間  22.0, NC)であり、エルロチニブまたはゲフィチニブ治療群の患者さんでは13.8カ月(95%信頼区間 12.3, 15.7)でした(ハザード比: 0.51; 95%信頼区間 0.40, 0.64、p<0.0001)。

タグリッソ1次治療群の患者さんのEGFR-TKI療法中止までの期間(中央値23.0ヶ月、 95%信頼区間 19.5, NC)は、2次治療においてタグリッソにクロスオーバーされた患者さんを含む対照群患者さん(中央値16.0カ月、95%信頼区間 14.8, 18.6)よりも長い結果を示しました。タグリッソ1次治療群の患者さんは、対照群の患者さんに比べて、2次病勢進行または死亡(PFS2)のリスクはほぼ半分でした(ハザード比: 0.58, 95%信頼区間 0.44, 0.78、 p<0.001)。

フランスのGustave Roussyがん研究所の胸部腫瘍理事会 医学准教授 David Planchard医師は次のように述べました。「病勢進行後の成果は、がんの1次治療における有効性を示す重要な指標としての認識が高まっています。FLAURA試験においてこれらの評価項目全体でリスク低減の一貫性が示されたことは、全生存期間における中間解析データの信頼性を高めるものと考えます」。

FLAURA試験におけるタグリッソ1次治療の安全性データは、過去の臨床試験と一貫した結果でした。同治療におけるグレード3以上の有害事象の発現率は標準治療であるEGFR-TKIsよりも低率であり(34%対45%)、忍容性が確認されました。患者さんに最もよく見られた有害事象は発疹(タグリッソ群58% [グレード3以上:1.1%] 対 対象群78% [グレード3以上:6.9%])、下痢(タグリッソ群58% [グレード3以上:2.2%] 対 対象群57%[グレード3以上:2.5%])、および乾燥皮膚(タグリッソ群36% [グレード3以上:1%未満] 対 対象群36% [グレード3以上:1.1%] )でした。

※タグリッソの1次治療は本邦未承認です。

以上

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非小細胞肺がんについて
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています。また、肺がんによる死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんによる死亡者合計を上回ります1。NSCLC患者さんのうちEGFR変異陽性の患者さんは、欧米で10-15%、アジアでは30-40%を占め2,3,4、これら患者さんは腫瘍細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害するEGFR-TKIによる治療に非常に高い感受性を示します5。しかし、腫瘍はほとんどの場合、EGFR-TKI治療に対し薬剤耐性を生じ、その結果、病勢が進行します6。既承認のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブ、エルロチニブおよびアファチニブによる治療を受けている患者さんの約半分において、T790Mによりこの薬剤耐性が発生します。タグリッソも病勢進行につながるこの二次変異を標的としています6,7。また、EGFR変異陽性NSCLC患者さんの約25%は診断時に脳転移を有しており、診断後2年以内にその率は約40%に増加することから、より高い中枢神経系の有効性を持つ薬剤に対するニーズも存在します8

タグリッソについて
タグリッソ (オシメルチニブ) は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、EGFR感受性変異およびEGFR T790M耐性変異の両方を阻害するように設計されており、中枢神経系 (CNS) 転移に対する臨床活性も有しています9。タグリッソ40mg錠および80mg錠1日1回経口投与は、EGFR T790M変異陽性進行NSCLCの治療薬として米国、EU、日本、中国を含む75カ国以上で承認されています。また、タグリッソは術後補助療法ならびに他の治療薬との併用療法においても現在承認に向けて開発中です10,11

FLAURA試験について
FLAURA試験は、前治療歴のある局所進行あるいは転移EGFR変異陽性NSCLC患者さんを対象とし、タグリッソ1次治療80mg1日1回投与の有効性および安全性を標準的な1次治療であるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤 (エルロチニブ [150mg 1日1回経口投与] あるいはゲフィチニブ [250mg 1日1回経口投与] )と比較検討した試験です。本試験は、二重盲検無作為化試験であり、29カ国の556例の患者さんを対象としています12

アストラゼネカにおける肺がんについて
アストラゼネカは、すべての肺がん患者さんに貢献できる治療薬の開発に努めています。当社は、承認済の3つの治療薬に加えて、腫瘍細胞の遺伝子変異を標的とする製品やがんに対する免疫応答を増強する製品など成長著しいパイプラインを有しています。当社は、サイエンスの限界に挑戦し続けることで、肺がんのすべてのステージおよびすべての治療ラインにおいて患者さんの延命に寄与し、生活の質を改善する画期的な治療をもたらすことを目指しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる能力に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

Reference:
1. American Cancer Society. Key Statistics for Lung Cancer. Available at https://www.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung-cancer/about/key-statistics.html. Accessed November 2017.
2. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
3. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
4. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
5. Langer CJ, et al. Epidermal Growth Factor Receptor Inhibition in Mutation-Positive Non-Small-Cell Lung Cancer: Is Afatinib Better or Simply Newer? J Clin Oncol. 2013:31(27);3303-05.
6. Yu HA, et al. Analysis of Tumour Specimens at the Time of Acquired Resistance to EGFR-TKI Therapy in 155 Patients with EGFR-Mutant Lung Cancer. Clin Cancer Research. 2013:19(8);2240-46.
7. Wu SG, et al. The Mechanism of Acquired Resistance to Irreversible EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Afatinib in Lung Adenocarcinoma Patients. Oncotarget. 2016:7(11);12404-13.
8. Rangachari, et al. Brain Metastases in Patients with EGFR-Mutated or ALK-Rearranged NonSmall-Cell Lung Cancers. Lung Cancer. 2015;88,108 –111
9. Cross DAE, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014:4;1046-61.
10. National Institutes of Health. AZD9291 Versus Placebo in Patients with Stage IB-IIIA Non-small Cell Lung Carcinoma, Following Complete Tumour Resection With or Without Adjuvant Chemotherapy (ADAURA). Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02511106. Accessed November 2017.
11. National Institutes of Health. AZD9291 in Combination With Ascending Doses of Novel Therapeutics. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02143466. Accessed November 2017
12. Ramalingam S, et al. Osimertinib vs SoC EGFR-TKI as First-Line Treatment in Patients with EGFRm Advanced NSCLC (FLAURA). Presented at the European Society for Medical Oncology (ESMO) 2017 Congress, 8-12 September 2017, Madrid, Spain.