アストラゼネカの生物学的製剤FASENRA(ベンラリズマブ) 米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得 コントロール不良の好酸球性重症気管支喘息治療薬として

本資料はアストラゼネカ英国本社が2017年11月14日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

好酸球を正確に標的にして速やかに除去する
8週間間隔投与のアストラゼネカ初の呼吸器疾患の生物学的製剤

年間喘息増悪率を最大51%低下、呼吸機能の有意な改善、および維持療法としての
経口ステロイド薬一日投与量を75%減量という結果を示した第III相臨床試験プログラムに基づくFDA承認

 

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)および、アストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンは、Fasenra(一般名:ベンラリズマブ<遺伝子組換え>、以下、ベンラリズマブ)が好酸球性フェノタイプを有する12歳以上の重症喘息患者さんの追加維持療法として、米国食品医薬品局(FDA)から11月14日に承認を取得したことを発表しました。

アストラゼネカの最高経営責任者(CEO)であるパスカル・ソリオは、「正確な標的治療を可能とする新しい生物学的製剤ベンラリズマブをお届けすることで、好酸球性炎症によって症状が起こる重症喘息に苦しむ患者さんの生活を改善する手助けができることに胸が高鳴ります。ベンラリズマブは、当社の呼吸器疾患領域における生物学的製剤ポートフォリオで初めて承認を取得した製剤です。当社がパイプラインを中心とした変革を遂げる中、今回の承認は当社にとって重要な一連のマイルストーンの最新のものとなります」と述べました。

今回のFDA承認は、喘息増悪を評価した主要第III相臨床試験のSIROCCO試験およびCALIMA試験、並びに経口ステロイド薬(OCS)の減量を評価した第III相臨床試験のZONDA試験を含むWINDWARDプログラムの結果に基づくものです。これらの試験における8週ごとにベンラリズマブを投薬したレジメンの試験結果は以下のとおりです。

· 年間喘息増悪率がプラセボ群と比較して最大51%低下
· 呼吸機能の有意な改善:プラセボ群と比較して努力呼気一秒量(FEV1)を最大159 mL増加。初回投与後4週目という早期の改善が
  認められ、速やかな有効性を示す
· 経口ステロイド薬の一日投与量を中央値で75%減量し、対象患者さんの52%において経口ステロイド薬の服用を完全に中止
· 全体的な有害事象プロファイルはプラセボ群と同様

主要第III相臨床試験SIROCCO試験の治験総括医師で、アリゾナ州立大学医学部遺伝・ゲノム・精密医療学の教授兼共同代表、 Eugene Bleecker医学博士は、「重症喘息患者さんの治療選択肢は非常に長い間限られており、症状管理を経口ステロイド薬に頼ってきましたので、好酸球性の重症喘息患者さんにとって今日は重要な日です。ベンラリズマブは、初回投与後の速やかな呼吸機能改善効果、経口ステロイド薬投与量の減量または中止の可能性、および8週間投与レジメンの簡便さを含む強力な臨床プロファイルを有します。また、ベンラリズマブによる治療の対象となる患者フェノタイプが明確であるため、医師が診察の際に、より自信を持って適格な患者を選択できるようになります」と述べました。

ベンラリズマブは、好酸球に直接かつ速やかに作用し、24時間以内にほぼ完全に好酸球を除去する唯一の呼吸器疾患の生物学的製剤です。好酸球は白血球の一種で、通常の身体免疫システムの一部を担いますが、重症喘息患者さんのおよそ半数で好酸球レベルの上昇がみられ、気道炎症や気道過敏性に加担します。その結果、喘息が重症化し症状の悪化、呼吸機能の低下や増悪リスクの上昇につながります。

ベンラリズマブは、好酸球上のインターロイキン-5受容体ɑに直接作用し、特異的にナチュラルキラー細胞を活性化し、好酸球のアポトーシス(プログラム細胞死)を誘導します。ベンラリズマブは、プレフィルドシリンジによって固定用量を8週間隔で投与する皮下注射剤として提供されます。

欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)は、2017年11月10日にベンラリズマブの販売承認を勧告する肯定的見解を採択しました。ベンラリズマブは、日本をはじめとする数カ国において薬事承認審査中です。

以上

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重症気管支喘息について
気管支喘息は世界3億1,500万人の人々に悪影響を与えており、喘息患者さんの最大10%は標準治療である高用量の喘息コントロール薬による治療にもかかわらず症状のコントロールが不良の重症喘息であり、経口ステロイド薬の継続使用が必要になる場合があります。
コントロール不良の重症気管支喘息は死に至ることもある耐え難い疾患で、患者さんは頻回な症状増悪や、呼吸機能の低下、生活の質(QOL)の著しい制限を余儀なくされます。コントロール不良の重症気管支喘息患者さんの死亡リスクは重症気管支喘息患者さんより高いとされています。
コントロール不良の重症気管支喘息は、経口ステロイド薬への依存を引き起こす可能性があります。全身性ステロイドの投与によって、体重増加、糖尿病、骨粗鬆症、緑内障、不安感、うつ、循環器疾患および免疫抑制を含む重篤な副作用を短期間または長期間起こすことがあります。さらに重症気管支喘息患者さんの疾患による身体的負担ならびに社会経済的な負担も大きく、喘息関連費用の約50%にあたるとも言われています。

Fasenra(一般名:ベンラリズマブ<遺伝子組換え>)について
ベンラリズマブは、ナチュラルキラー細胞を誘導することで、好酸球を直接的に、速やか、かつほぼ完全に除去するモノクローナル抗体です。早期第II相試験により、末梢血中の好酸球が、24時間以内に速やかに除去されることが確認されています。主要第III相SIROCCO試験およびCALIMA試験では、ベンラリズマブによって、コントロール不良の好酸球性の重症喘息患者さんの喘息増悪頻度を大幅に低下し、呼吸機能および喘息症状を改善する結果が示されています。喘息患者さんの約50%においては、好酸球が生物学的エフェクター細胞として、頻回の増悪、呼吸機能の低下や、喘息症状の悪化を引き起こします。ベンラリズマブは、プレフィルドシリンジで投与する皮下注射剤で、初回から3回目までは4週間隔、その後は8週間隔で投与されます。
ベンラリズマブは米国において承認されています。EU、日本およびその他数カ国においては承認審査中です。

ベンラリズマブは、アストラゼネカの呼吸器疾患領域において、呼吸器疾患の根本原因を究明する新薬候補となる生物学的製剤ポートフォリオの基盤となっています。ベンラリズマブはまた、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬としても開発されています。
ベンラリズマブは、日本の協和発酵キリン株式会社の完全出資子会社であるBioWa社から導入され、アストラゼネカとそのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンが開発しました。

WINDWARDプログラムについて
気管支喘息に関するWINDWARDプログラムはSIROCCO試験、CALIMA試験、ZONDA試験、BISE試験、BORA試験およびGREGALE試験を含む6つの第III相臨床試験により構成されています。2つの主要試験SIROCCO試験およびCALIMA試験は、喘息増悪が発現傾向にある12歳以上の患者さんを対象に、ベンラリズマブの治療(固定用量30mgの皮下投与)の有効性および安全性を評価する、無作為化二重盲検対照群間プラセボ対照試験です。
SIROCCO試験およびCALIMA試験は、重症喘息の標準治療(高用量の吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬[ICS/LABA]を含む)を受けている患者さん計2,510例(SIROCCO試験1,204例、CALIMA試験1,306例)が、ベンラリズマブ 30mgを4週間ごとに投薬する群と、ベンラリズマブ 30mgを最初の3回は4週間ごと、その後8週間ごとに投薬する群、もしくはプラセボ群に、世界中から無作為に割り付けられました。ベンラリズマブはプレフィルドシリンジによる皮下注射で投与されました。
最近発表されたSIROCCO試験およびCALIMA試験の併合事後分析では、ベースライン血中好酸球数、頻回増悪の回数、経口ステロイド薬の常用および鼻ポリープの有無などの簡単に判別できる好酸球性重症喘息の臨床特徴と、ベンラリズマブの有効性との関係性が明らかになりました。
薬事承認申請を目的とする3番目の試験であるZONDA試験は、コントロール不良で経口ステロイド薬依存傾向がある好酸球性重症喘息患者さんにおいて、ベンラリズマブ投与群はプラセボ群との比較で、維持療法としての経口ステロイド薬投与量が、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある減量ができることを示しました。ベンラリズマブによる治療をうけた患者さん群の経口ステロイド薬投与量の減量中央値は75%で、プラセボ群の患者さんに比べ経口ステロイド薬減量の可能性が4倍以上高いことが示されました。本結果はthe New England Journal of Medicineの2017年5月号に掲載されました。
WINDWARDプログラムに加え、重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者さんにおけるベンラリズマブの有効性および安全性を評価する第III相VOYAGERプログラムも現在進行中です。

アストラゼネカにおける呼吸器疾患について
呼吸器疾患はアストラゼネカの注力疾患領域のひとつで、製品ポートフォリオは年々成長し、2016年には世界中の1,800万人以上の患者さんに当社製品をお届けしました。アストラゼネカは、吸入配合剤を中心に、特定の疾患治療のアンメットニーズに応える生物学的製剤や、疾患原因を解明する革新的なサイエンスを通じて、喘息およびCOPD治療を向上させることを目指しています。アストラゼネカは、呼吸器領域における40年の歴史をさらに発展させており、当社の吸入器技術はドライパウダー吸入器(DPI)、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)、ならびに画期的なAerosphere Delivery Technologyなどに及びます。また、当社の生物学的製剤には、米国での承認およびEUでの肯定的見解を取得し、日本において現在薬事承認審査中のベンラリズマブ(抗好酸球、抗IL-5受容体ɑ抗体)、現在第III相試験を実施中のtralokinumab(抗IL-13抗体)、および第IIb相試験の主要評価項目と副次評価項目の達成に成功した tezepelumab(抗TSLP抗体)が含まれます。アストラゼネカは、肺上皮組織、肺免疫および肺再生に焦点を当てた、基礎疾患のドライバーを解明する研究を行っています。

メディミューンについて
メディミューンは、アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発部門で、低分子化合物および生物学的製剤の医療用医薬品の研究、開発および商業化に特化する、グローバルなイノベーション志向のバイオ・医薬品企業です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、オンコロジー、呼吸器疾患、循環器・代謝疾患、および感染症・ワクチン等を重点疾患領域として、新規治療経路の検討に取り組んでいます。メディミューンの本社は、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点のひとつである米国メリーランド州ゲイザースバーグにあり、加えて英国ケンブリッジおよび米国カリフォルニア州マウンテンビューにも研究所があります。詳細については https://www.medimmune.comをご覧ください。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・代謝/消化器疾患、呼吸器疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展へのさらなる貢献を果たすべく活動しています。当社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。