アストラゼネカ株式会社、タグリッソのEGFR変異陽性非小細胞肺がんに対する一次治療の有用性を検討したFLAURA試験の全集団および日本人サブグループ解析の結果を発表

タグリッソは全集団のPFS中央値において、標準治療と比べ、8.7ヵ月の延長を達成
日本人サブグループにおいても、5.3ヵ月の延長を達成

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役会長:マーク・デュノワイエ、以下、アストラゼネカ)は、2017年10月14日、第58回日本肺癌学会学術集会において、局所進行あるいは転移性EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対するタグリッソの一次治療の有用性を検討したFLAURA試験の全集団および日本人サブグループ解析の結果を発表しました。全集団の解析において、タグリッソは、現在の標準的な治療(ゲフィチニブもしくはエルロチニブ)と比べて無増悪生存期間 (PFS) 中央値を8.7ヵ月延長(HR: 0.46 95%IC, 0.37-0.57, p<0.0001)しました。また、日本人サブグループ解析においても、PFS中央値を5.3ヵ月延長(HR: 0.61, 95%CI, 0.38-0.99, p<0.0456)し、全集団の解析結果と一貫した効果を示しました。

FLAURA試験は、局所進行あるいは転移性EGFR変異陽性NSCLC患者さん556例を対象とし、タグリッソ80mg1日1回投与の有効性および安全性を、標準的な治療であるゲフィチニブまたはエルロチニブと比較検討した第lll相国際臨床試験です。全集団の解析結果は2017 年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次学会で発表され、レイトブレーキング演題の中からプレジデンシャル・シンポジウム(同学会で最も価値のある発表に与えられるセッション)に採択されました。

全集団556 例を対象とした解析において、主要評価項目であるPFS中央値は、タグリッソ群(n=279)で18.9ヵ月、対照群(n=277)で10.2ヵ月と、タグリッソ群で統計的に有意な延長を示しました。脳転移の有無別のPFS中央値では、脳転移を有する症例のタグリッソ群で5.6ヵ月の延長(HR: 0.47 95%IC, 0.30-0.74, p<0.0009)、脳転移を有さない症例のタグリッソ群で8.2ヵ月の延長(HR: 0.46 95%IC, 0.36-0.59, p<0.0001)を示し、タグリッソは脳転移の有無を問わず、効果を発揮することを示しました。グレード3以上の因果関係を否定できない有害事象の発現率は、タグリッソ群18%、対照群28%でした。最もよく見られた有害事象は、タグリッソ群では下痢(58%[グレード3以上2%])および皮膚乾燥(32%[グレード3以上1%未満])、対照群では下痢(57%[グレード3以上2%])およびざ瘡様皮疹(48%[グレード3以上5%])でした。

日本人サブグループ解析は、FLAURA試験に参加した120名の日本人患者さんを対象として行われ、主要評価項目のPFSは、タグリッソ群で19.1ヵ月(中央値)、標準治療群で13.8ヵ月(中央値)でした。また、日本人患者における最も高頻度にみられたグレード3以上の有害事象は、タグリッソ群でリンパ球数減少(6%)、標準治療群でアラニン・アミノトランスフェラーゼ上昇(20%)でした。これら日本人サブグループ解析における有効性と忍容性は、FLAURA試験全集団の解析結果と一貫していました。

本結果を第58回日本肺癌学会学術集会で発表した国立がん研究センター中央病院副院長呼吸器内科長の大江 裕一郎医師は次のように述べています。
「FLAURA試験の結果は、T790M変異の有無を問わず、全てのEGFR変異陽性患者さんがタグリッソを使用することができる可能性を示しました。タグリッソのEGFR変異陽性NSCLCに対する効果は作用機序の観点からも理解できるものであり、今後、タグリッソの一次治療からの使用によって、患者さんがより長い病勢コントロールと忍容性を維持した治療を受けることが可能となることを期待しています」。

アストラゼネカは、今後も患者さんの人生を変える革新的な新薬を一日も早くお届けするために、最善の努力を続けてまいります。

タグリッソのEGFR変異陽性NSCLCに対する一次治療は本邦では未承認です。

以上

*****
FLAURA試験日本人サブグループ解析の主な結果について1
· 主要評価項目であるPFS中央値はタグリッソ群19.1ヵ月、標準治療群13.8ヵ月で、タグリッソ群で臨床的に意味のあるPFS延長(HR 0.61, 95%CI;0.38,0.99)が認められました。
· 副次的評価項目である奏効率において、タグリッソ群75%、標準治療群76%と高い奏効率が認められました。
· 病勢コントロ-ル率においても、タグリッソ群97%、標準治療群96%と高いコントロール率が示さました。
· 間質性肺疾患の発現率は、タグリッソ群で12%、標準治療群で2%、QT延長はタグリッソ群で22%、標準治療群で9%でした。

全集団の主な結果は、2017年9月11日発表のプレスリリースをご参照ください。
https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2017/2017091104.html

タグリッソ®錠40mg/80mgについて
「タグリッソ®錠40mg/80mg」(一般名:オシメルチニブメシル酸塩、以下、本剤)は、「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」を効能・効果として、2016年3月28日に国内製造販売承認を取得し、5月25日より販売を開始した抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤です。これまで、肺癌治療における薬剤耐性の課題に応え、個別化医療をさらに進展する新たな治療選択肢として、米国・欧州を含む40以上の国で承認を取得しています。

アストラゼネカは、治療選択肢が極めて限られるT790M変異陽性の患者さんのアンメットニーズに早急に応えるために「保険外併用療養費制度」のもと、承認取得後から薬価収載前日までタグリッソを倫理的観点より無償提供し2、治験実施37施設において290名の患者さんの治療に貢献しました。また、組織検査の実施が困難な患者さんの検査アクセスを支援する取り組みとして、血漿検査承認後の2017年1月5日から保険適応の前日である2017年6月30日まで、T790M血漿検査結果の倫理提供(T790M血漿検査結果提供プログラム)を行いました3

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの6つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液がん領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性機序、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、呼吸器疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、自己免疫疾患、ニューロサイエンスおよび感染症の領域における一部の疾患に関する活動も行っています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・代謝/消化器疾患、呼吸器疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社についてはhttp://www.astrazeneca.co.jpをご覧ください。

1 Ohe Y, et al. Presented at  JLCS 2017, ES-5

2 アストラゼネカ株式会社20016/3/28プレスリリース
https://www.astrazeneca.co.jp/content/az-jp/media/press-releases1/2016/20160328.html 

3 アストラゼネカ株式会社20017/7/3プレスリリース
https://www.astrazeneca.co.jp/content/az-jp/media/press-releases1/2017/20170703.html