アストラゼネカ株式会社、デュルバルマブの切除不能局所進行の非小細胞肺がん患者さんを対象とした PACIFIC 試験の全体集団および日本人サブグループ解析の結果を発表

デュルバルマブは全体集団のPFS中央値を標準治療と比べ11.2ヵ月延長
日本人サブグループにおいても、全体集団と一貫したPFSの改善を達成

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役会長:マーク・デュノワイエ、以下、アストラゼネカ)は、2017年10月14日、第58回日本肺癌学会学術集会において、第III相PACIFIC試験の全体集団および日本人サブグループ解析の結果を発表しました。全体集団の解析において、デュルバルマブ(遺伝子組換え)(以下、「デュルバルマブ」)は、現在の標準療法である白金製剤を用いた根治的同時化学放射線療法(CRT)後に進行が認められなかった切除不能局所進行(ステージIII)非小細胞肺がん(NSCLC)において、現在の標準治療(経過観察)と比べて無増悪生存期間 (PFS) 中央値を11.2ヵ月延長(HR 0.52 95% CI, 0.42-0.65, p<0.0001)しました。また、日本人サブグループ解析においても、全体集団と同様のPFS延長が見られ(HR: 0.49 95%CI, 0.26-0.89, p=0.02)、全体集団の解析結果と一貫した結果を示しました。

PACIFIC試験は、白金製剤を用いた根治的同時化学放射線療法の後に進行が認められなかった切除不能局所進行(ステージIII)NSCLC患者さんを対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照多施設間国際共同第III相試験です。全体集団の解析結果は2017 年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次集会で発表され、Late-breaking演題の中からプレジデンシャル・シンポジウム(同学会で最も価値のある発表に与えられるセッション)に採択されました。

全体集団713例を対象とした解析において、主要評価項目であるPFS中央値は、デュルバルマブ群(n=476)で16.8ヵ月、プラセボ群(n=237)で5.6ヵ月と、デュルバルマブ群は11.2ヵ月のPFS延長を達成しました。PD-L1発現状態別(PD-L1発現:25%以上、25%未満、不明)に見たPFS中央値では、デュルバルマブは、PD-L1発現状態に関わらずPFSを延長しました。さらに、デュルバルマブ群は、プラセボ群と比較して新たな転移発生の割合を低減することも示しました。最もよく見られた有害事象は咳(デュルバルマブ群:35.4%対プラセボ群:25.2%)、肺臓炎/放射線性肺臓炎(33.9%対24.8%)、疲労(23.8%対20.5%)、呼吸困難(22.3%対23.9%)、下痢(18.3%対18.8%)でした。グレード3以上の有害事象の発現率は、デュルバルマブ群で29.9%、プラセボ群で26.1%、投与中止につながる有害事象の発現率は、デュルバルマブ群で15.4%、プラセボ群で9.8%でした。

日本人サブグループ解析は、PACIFIC試験に参加した112名の日本人患者さん(デュルバルマブ群72名、プラセボ群 40名)を対象に行われ、PFS中央値は、全体集団と同様の延長の傾向が見られました(HR: 0.49 95%CI, 0.26-0.89, p=0.02)。最もよく見られた有害事象は、肺臓炎/放射線性肺臓炎(デュルバルマブ群:73.6%対プラセボ群:60.0%)、鼻咽頭炎(19.4%対10.0%)、掻痒(19.4%対5.0%)、食欲減退(15.3%対7.5%)でした。グレード3以上の有害事象の発現率は、デュルバルマブ群で23.6%、プラセボ群で12.5%、投与中止につながる有害事象の発現率は、デュルバルマブ群で12.5%、プラセボ群で10.0%で、全体集団と一貫した結果でした。

本結果を第58回日本肺癌学会学術集会で発表した久留米大学病院呼吸器病センターの時任高章医師は次のように述べています。
「根治的化学放射線療法後の切除不能局所進行のステージIII NSCLC患者さんの治療は、過去20年近く進展がありませんでした。デュルバルマブは、これらの患者さんを対象として無増悪生存期間の延長を達成した世界初の免疫治療薬であり、PACIFIC試験の結果をもとに、日本においても新たな治療選択肢として一日も早く承認されることを期待しています」。

アストラゼネカは、今後も患者さんの人生を変える革新的な新薬を一日も早くお届けするために、最善の努力を続けてまいります。

*デュルバルマブは本邦では未承認です。

以上

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局所進行 (ステージIII) 非小細胞肺がんについて
ステージIIIの肺がんは2つのステージ (ステージIIIAおよびIIIB) に分類され、これらはがんの局所浸潤の面積とリンパ節への転移状況により定義されます。外科手術の可能性があることが、がんが他の臓器に転移したステージIVと異なる点です。

ステージIIIの肺がんはNSCLCの罹患件数の約3分の1を占めており、2016年にはG7諸国において約10万5千人が罹患したと推定されます。これら患者さんの約半数の腫瘍は切除不能です。現在の標準治療は根治的化学放射線療法で、その後は経過観察が行われています。予後は依然として不良であり、5年生存率は約15%に留まります。

PACIFIC試験について
PACIFIC試験は、白金製剤を用いた根治的同時化学放射線療法の後に進行が認められなかった切除不能局所進行(ステージIII)非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象としたデュルバルマブ投与の無作為化二重盲検プラセボ対照多施設間国際共同試験です。

本試験は、米国、カナダ、ヨーロッパ、中南米、日本、韓国、台湾、南アフリカおよびオーストラリアを含む26カ国の235施設において実施中です。本試験の主要評価項目はPFSおよびOSであり、副次的評価項目にはランドマークPFSおよびOS、客観的奏効率および奏効期間が含まれます。

デュルバルマブについて
デュルバルマブは、PD-L1を直接標的とするヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とT細胞上のPD-1およびCD80の相互作用を阻害し、腫瘍の免疫からの逃避機構が働かないよう作用し、免疫反応を誘発します。

デュルバルマブは複数の単剤療法試験およびトレメリムマブや免疫療法における他の新薬候補との併用療法試験において検討が続けられています。デュルバルマブは、NSCLCの様々なステージ、小細胞肺がん(SCLC)、転移性尿路上皮がん(mUC)および頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の第III相試験において単剤療法として評価されています。一方、デュルバルマブとトレメリムマブの併用療法は、mUC、NSCLC、SCLCおよびHNSCCの第III相試験において評価されていますが、肝細胞がんおよび血液腫瘍の第I/II相試験においても評価されています。

アストラゼネカにおける肺がんについて
アストラゼネカは、すべての肺がん患者さんに貢献できる治療薬の開発に努めています。当社は、承認済の2つの治療薬に加えて、腫瘍細胞の遺伝子変異を対象とした開発、がんに対する免疫反応力を増強する開発を進めており、画期的治療薬を世に送り出すパイプラインを有しています。当社は、サイエンスの限界に挑戦し続けることで、肺がんのすべてのステージおよびすべての治療ラインにおいて患者さん延命に寄与し、生活の質を改善する画期的な新薬を届けます。

がん免疫治療(IO)に対するアストラゼネカの取組みについて
がん免疫療法(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカおよび当社のバイオ医薬品研究発部門であるメディミューンにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療薬により支えられています。当社は、IOに基づく治療は多くの患者さんの人生に変革をもたらす抗がん治療となる可能性を提供するものと信じています。

当社は、患者さんにとって最善となる治療の方向性を見極める決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを使用することで、複数のがん種、病期、および治療の段階におけるデュルバルマブ(抗PD-L1抗体)単剤療法およびトレメリムマブ(抗CTLA-4抗体)との併用療法における包括的な臨床プログラムを追求しています。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液腫瘍に焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの主要な成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

メディミューンについて
メディミューンは、低分子化合物およびバイオ製剤の医療用医薬品の研究、開発および商業化に特化するグローバルなイノベーション志向のバイオ・医薬品企業アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発部門です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、オンコロジー、呼吸器・循環器・代謝疾患、および感染症・ワクチン等の重点疾患領域において新規治療経路の検討に取り組んでいます。メディミューンの本社は、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点のひとつとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあり、これに加え英国ケンブリッジおよび米国カリフォルニア州マウンテンビューにも研究所があります。詳細は https://www.medimmune.comをご覧ください。

アストラゼネカについて

アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・代謝/消化器疾患、呼吸器疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展へのさらなる貢献を果たすべく活動しています。当社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。