アストラゼネカ 2型糖尿病治療薬GLP-1受容体作動薬「ビデュリオン」の 幅広い心血管系リスクを有する2型糖尿病患者さんを対象とした EXSCEL試験で心血管系イベントに対する安全性を実証し、 総死亡率低下の可能性を示唆

 
本資料はアストラゼネカ英国本社が2017年9月14日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

世界35か国687施設1万4,500症例を登録した、
GLP-1受容体作動薬でのCVアウトカム試験において最大かつ包括的な試験

全試験結果は 欧州糖尿病学会(EASD)で発表され、
同時にニューイングランドジャーナルオブメディシンに論文発表

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は9月14日、 EXSCEL(EXenatide Study of Cardiovascular Event Lowering)試験の全試験結果を明らかにし、広範な心血管リスクのある2型糖尿病患者において、GLP-1受容体作動薬ビデュリオン(一般名:エキセナチド)が、心血管リスク全般を増加させず心血管系イベントに対する安全性を示したことを発表しました。

週1回投与のエキセナチドは、プラセボとの比較で、心血管死・非致死的心筋梗塞もしくは非致死的脳卒中の複合評価項目であるMACEの発現率の上昇を示しませんでした(ハザード比: 0.91; 95%信頼区間: 0.83-1.00; p<0.001非劣性)。

有効性の主要評価項目であったMACEの軽減については、統計上の有意差にわずかに届かなかったものの(p=0.061)、 エキセナチド群において心血管イベントの発生はプラセボ群と比べて少数でした(839 [11.4%] vs. 905 [12.2%])。EXSCEL 試験の心血管アウトカムの傾向は、昨今発表されたGLP-1受容体作動薬クラスのアウトカム試験の結果と一貫性がみられました1 。さらに、事前に規定した二次解析では、エキセナチド群における総死亡率は14%低いことが示されました(ハザード比: 0.86; 95% 信頼区間: 0.77-0.97)。

EXSCEL試験の重要な副次的評価項目、感度分析および地域データを含む全試験結果は、第53回欧州糖尿病学会(EASD)年次集会で発表され、同時にニューイングランドジャーナルオブメディスンにもオンラインで掲載されました。

治験を担当したオックスフォード大学糖尿病試験ユニットディレクター、糖尿病内科教授のRury Holman氏は、「2型糖尿病患者さんの総死亡リスクは、糖尿病のない人に比べて最大2倍、心血管死のリスクは4倍と言われていますので、2型糖尿病治療薬がこれらの患者さんの心血管疾患および関連合併症のリスクをさらに増大させることがあってはなりません。2,3,4 今回のEXSCEL試験の結果により、エキセナチドが広範な心血管リスクのある2型糖尿病患者さんに、心血管リスクの増加をきたすことなく使用できることが検証され、総死亡の軽減にも影響する可能性が示唆されました」と、述べました。

グローバル医薬品開発部門の循環器・代謝疾患領域担当バイスプレジデントであるElisabeth Björkは 、「EXSCEL試験は、幅広い心血管リスクを有する様々な2型糖尿病患者さんに対するビデュリオン週1回投与の使用の妥当性を裏付ける重要なエビデンスです。包括的にデザインされた本試験は、循環器・代謝疾患に関連する多くのリスクや合併症治療の指針を示し、多くの2型糖尿病患者さんのベネフィットとなる臨床診療情報を提供するという当社の取り組みを表すものです」と、述べました。

MACEの複数の感度分析、すなわち異なる変数の影響をみるために仮定を変えてMACEの再算出を行った結果は、一次解析結果と一致していました。1 EXSCEL 試験期間中に安全性の問題は起こらず、安全性データはエキセナチドの既知の安全性プロファイルと一貫したものでした。1特に、2型糖尿病患者さんによくみられる微小血管合併症で、深刻な視覚障害や失明の原因となる網膜症には不均衡はありませんでした。

EXSCEL試験は、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)受容体作動薬クラスにおいて、これまで実施されたCVアウトカム試験としては、最大規模かつ最も包括的に患者集団を組入れた試験です。通常治療と広範な組入れ基準を採用して、35ヵ国687施設から1万4500例以上の症例が登録されました。1,5,6,7

アストラゼネカは、本データをビデュリオンの添付文書に反映させるために規制当局と協働しています。

以上

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References

1.Effects of Once-Weekly Exenatide on Cardiovascular Outcomes in Type-2 Diabetes. N Engl J Med. Available at www.nejm.org/doi/full/10.1056//NEJMoa16129. Accessed September 2017.

2.Tancredi M, et al. Excess mortality among persons with type 2 diabetes. N Engl J Med. 2015;373:1720-32.

3. National Centers for Disease Control and Prevention. National diabetes statistics report, 2014. Available at https://www.cdc.gov/diabetes/pubs/statsreport14/national-diabetes-report-web.pdf. Accessed August 9, 2017.

4. Sarwar N, et al. Diabetes mellitus, fasting blood glucose concentration, and risk of vascular disease: a collaborative meta-analysis of 102 prospective studies. Lancet. 2010;375:2215-22.

5. Marso SP, et al. Design of the liraglutide effect and action in diabetes: evaluation of cardiovascular outcome results (LEADER) trial. Am Heart J. 2013;166(5):823-830.e5.

6. Marso SP, et al. Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes. N Engl J Med. 2016; 375:1834-1844.

7. Pfeffer MA, et al. Lixisenatide in Patients with Type 2 Diabetes and Acute Coronary Syndrome. N Engl J Med. 2015; 373:2247-2257.

EXSCEL試験について
EXSCEL試験は、第IIIb/IV相二重盲検プラセボ対照国際共同心血管アウトカム試験で、複数の心血管リスク要因や心血管イベントの既往歴の有無に関わらず、35カ国で1万4500例の2型糖尿病患者さんを対象に実施した試験です。全症例の73%の患者さんには、少なくとも1回の心血管イベントの既往歴があり、27%には既往歴がありませんでした。患者さんは、皮下注射によるエキセナチド週1回2mg投与群、もしくはマッチングプラセボ群に1対1の割合で無作為化されました。EXSCEL試験は、デューク臨床研究所(米国・ノースカロライナ州ダーハム)と、オックスフォード大学糖尿病試験ユニット(英国・オックスフォード)の2つの学術研究機関による共同実施試験です。

糖尿病領域におけるアストラゼネカ
アストラゼネカは、世界中の糖尿病患者さんの負担と合併症を減少させることを目指し、患者さんの人生を変えうる医薬品を創製するため、サイエンスの限界に挑戦しています。糖尿病領域を当社の重点治療領域の一つとし、循環器疾患、肥満、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、慢性肝疾患などの重大な合併症を有する多様な母集団や患者さんに重点を置いた研究開発に集中して勤しんでいます。

糖尿病に対する当社のコミットメントは、当社のグローバル臨床研究プログラムの深さと広さに象徴されています。また、当社の糖尿病治療薬の治療効果をより広範な患者さんを対象に理解を深めていくとともに、併用治療アプローチをさらに探求し、より多くの患者さんが治療の奏効を病勢進行のより早期で達成できるよう努めています。当社の目標は、長期間にわたる糖尿病の負担を軽減することです。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝疾患領域について
アストラゼネカは、循環器・腎・代謝疾患(CVMD)を重点領域とし、当社の医薬品ポートフォリオがCVMD全般における複数のリスク要因や合併症にどのように対応できるか、理解を深めるべく取り組んでいます。当社は、中核となる循環器疾患領域およびそれらの合併症における、患者さんの人生を変える結果を生み出しつつあります。当社は、循環器関連疾患の進行を遅延させ心血管系臓器を保護することでもたらされる循環器および死亡率のベネフィットを実証すべく、サイエンスに投資しています。さらに、循環器関連疾患進行の遅延にとどまらず、疾患の自然経過の予防・停止および臓器再生までを最終的に目指しています。世界数億人の健康増進に寄与することのできる、新たなCVMD治療法の選択肢拡大に、今後もたゆまぬ努力を続けます。 

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