アストラゼネカ 呼吸器領域の生物学的製剤ベンラリズマブ(遺伝子組換え)の第III相ZONDA試験重症喘息患者さんにおける経口ステロイド薬使用量を減量する効果を示す

本資料はアストラゼネカ英国本社が2017年5月22日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

ベンラリズマブ投与患者さんはプラセボ投与患者さんに比べ経口ステロイド薬を減量する可能性が4倍以上高いことを示す

さらに、ベンラリズマブはコントロール不良の好酸球性重症喘息患者さんにおいて喘息増悪の年間発生率を70%、緊急治療室への搬送あるいは入院を必要とする喘息増悪の発生率を93%減少

試験結果は同時にNew England Journal of Medicineに掲載

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は5月22日、2017年米国胸部学会(ATS) 国際集会において、第III相ZONDA試験の結果を発表しました。ベンラリズマブを標準治療へ追加した治療は、経口ステロイド薬に依存傾向がある患者さんの喘息コントロールを維持しつつも、ステロイド薬の減量あるいは投与中止に導きました。ZONDA試験の詳細結果はthe New England Journal of Medicine のオンライン版に掲載されています。

本試験では、ベンラリズマブの2つの用量レジメンをプラセボと比較し、維持療法としての経口ステロイド薬の投与量が統計学的に有意かつ臨床的に意味のある減量ができ、主要評価項目を達成しました。ベンラリズマブ投与群の患者さんは、プラセボ投与群の患者さんに比べ、経口ステロイド薬減量の可能性が4倍以上高いことが示されました。経口ステロイド薬用量の減量中央値はベンラリズマブ投与群において75%、プラセボ投与群においては25%でした。

ZONDA試験の副次的評価項目では、有意な結果が示されました。8週間隔の用量レジメンによる経口ステロイドの減量について

  • 50%以上経口ステロイド薬を減量できた患者さんの割合は、ベンラリズマブ投与群で66%、プラセボ投与群で37%でした
  • 90%以上経口ステロイド薬を減量できた患者さんの割合は、ベンラリズマブ投与群で37%、プラセボ投与群12%でした
  • 本試験の治験実施計画書の経口ステロイド薬の投与中止規定に合致して、経口ステロイド薬の使用を完全に中止することが出来た患者さんの割合は、ベンラリズマブ投与群で52%、プラセボ投与群で19%でした

ベンラリズマブの8週間隔の用量レジメンによる治療を受けた患者さんにおける急性喘息増悪の予防、もしくは発生率の低下に関する解析によって下記が示されました。

  • プラセボとの比較で、喘息増悪の年間発生率を70%低下
  • プラセボとの比較で、緊急治療室への搬送あるいは入院を必要とする喘息増悪の発生率を93%低下

カナダ・ハミルトンのMcMaster大学呼吸器科教授であり本試験の統括医師であるDr. Parameswaran Nairは、「ベンラリズマブは、重症喘息患者さんの喘息増悪頻度を最大70%減少することが示されたと同時に、経口ステロイド薬を減量し、呼吸機能を維持できるという、臨床的な有効性を示しました。これはインターロイキン-5(IL-5)受容体を阻害し、血中および気道の好酸球を除去するというベンラリズマブのユニークな作用機序が貢献しているものと考えられます」と述べました。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは、「好酸球性喘息表現型の臨床的特徴のひとつとして、コントロール不良の重症喘息管理において経口ステロイド薬へ過剰依存する傾向がこれまでにも知られています。ベンラリズマブによって、既存の治療ではコントロールが困難な患者さんの、緊急治療または入院を必要とする喘息増悪頻度を大幅に減少でき、さらに、臨床的に意味のある経口ステロイド薬の減量を達成しました。ZONDA試験は、このような結果を示すことができた、意義のある試験だったと考えます」と述べました。

ZONDA試験は、高用量吸入ステロイド 薬(以下、ICS)と長時間作用性β2刺激薬(以下、LABA)に、経口ステロイド薬を追加した治療を受けているコントロール不良の重症喘息成人患者さんに対して、ベンラリズマブ30mgを8週ごとあるいは4週ごとの用量レジメンで、28週間皮下注射投与した効果を評価しました。ベンラリズマブに対する忍容性は良好で、全体的な有害事象のプロファイルは、プラセボおよび過去の第III相試験において見られたプロファイルと同様でした。ZONDA試験のベンラリズマブ投与群に最もよくみられた有害事象(10%以上)は鼻咽頭炎、喘息増悪および気管支炎でした。

ZONDA試験のデータは主要たる第III相試験であるSIROCCO試験およびCALIMA試験のデータと共にベンラリズマブの薬事承認申請に含まれています。ベンラリズマブはどの国・地域においても未承認ですが、現在米国、EU、日本およびその他数カ国において承認審査中であり、米国での処方薬ユーザー・フィー法による審査完了時期は2017年第4四半期とされています。

以上

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重症気管支喘息について
喘息は世界中で3億1,500万が罹患しており、喘息患者さんの最大10%が重症喘息患者さんで、標準治療の喘息コントロール治療薬を高用量投与してもコントロール不良で、経口ステロイド薬の併用治療を必要としています。コントロール不良の重症喘息患者さんは、高頻度の喘息増悪や、呼吸機能ならびにQOLの大幅な制限を経て、衰弱し死に至る可能性もあります。コントロール不良の重症喘息患者さんの死亡リスクは、重症喘息患者さんの8倍とされています。
コントロール不良の喘息は経口ステロイド薬依存を引き起こす可能性があり、全身性ステロイド投与によって体重増加、糖尿病、骨粗鬆症、緑内障、不安感、うつ、循環器疾患および免疫抑制など、様々な重篤で不可逆的な副作用を短期間から長期間にわたり起こすことがあります。また、重症喘息患者さんにおいては、疾患による身体的負担ならびに社会経済的な負担が大きく、喘息治療関連費用の約50%に相当するとされています。

ZONDA試験について
ZONDA試験は、高用量のICS/LABAでの治療および経口ステロイド薬を長期間使用している、 血中好酸球数が150/μL以上*で、コントロール不良の成人重症喘息患者さん220例を対象とした、28週無作為化二重盲検プラセボ対照多施設間第III相試験です。本試験は、成人重症喘息患者さんの喘息コントロールを維持しつつ、ベンラリズマブ(30mgを4週ごとの投薬群、もしくは30mgを最初の3回は4週ごと、その後8週ごとの投薬群)の経口ステロイド薬減量に対する効果を、プラセボとの比較で評価しました。主要評価項目は、ベースラインから28週までの経口ステロイド薬用量の変化率でした。
患者さんは、0週の時点で無作為にベンラリズマブ投与群とプラセボ投与群に割り付けられ、4週間の導入期間では、経口ステロイド薬を安定用量で維持されました。その後減量期間(4~24週)においては、4週間ごとに経口ステロイド薬用量を2.5~5.0mg/日減量しました。ベースラインにおける経口ステロイド薬の安定用量が12.5mg/日以下の患者さんのみが、100%の経口ステロイド薬減量に適格とされました。本試験の経口ステロイド薬用量プロトコルの詳細についてはthe New England Journal of Medicineのオンライン版をご覧ください。
* In-House Data, AstraZeneca Pharmaceuticals LP.  Clinical Study Report D3250C00020.

ベンラリズマブ(遺伝子組換え)について
ベンラリズマブは、好酸球の表面に発現するインターロイキン-5(IL-5)受容体に対し直接的に作用するヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤です。喘息患者さんの中には、好酸球とよばれる生物学的エフェクター細胞が炎症と気道過敏性を起こし、症状が重症化する患者さんがいます。ベンラリズマブ は、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)を高め、IL-5受容体を発現している好酸球を速やか且つほぼ完全に除去する特徴を持っています。また、早期第I/II相試験により24時間以内に効果発現することが確認されています。
主要第III相SIROCCO試験およびCALIMA試験では、ベンラリズマブによって、コントロール不良の好酸球性の重症喘息患者さんの喘息増悪頻度を減少し、呼吸機能および喘息症状を改善する結果が示されています。
ベンラリズマブは、協和発酵キリンの完全出資子会社であるBioWa社から導入され、アストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンと協和発酵キリンにより開発されました。なお、アストラゼネカ株式会社は、2016年10月に協和発酵キリンと締結していた独占的オプションを行使し、重症気管支喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬としてのベンラリズマブの日本国内における製造販売権利を取得しました。ベンラリズマブはどの国・地域においても未承認ですが、現在米国、EU、日本およびその他数カ国において承認審査中です。

アストラゼネカにおける呼吸器疾患について
呼吸器疾患はアストラゼネカの注力疾患領域で、製品ポートフォリオは年々成長し、2016年には世界中の1,800万人以上の患者さんに当社製品をお届けしました。アストラゼネカは、吸入配合剤を中心に、特定の疾患治療のアンメットニーズに応える生物学的製剤や、疾患原因を解明する革新的なサイエンスを通じて、喘息およびCOPD治療を向上させることを目指しています。アストラゼネカは、呼吸器領域における40年の歴史をさらに発展させており、吸入器技術は、ドライパウダー吸入器(DPI)、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)、ならびにCo-Suspension™ Delivery Technologyなどに及びます。
また、当社の生物学的製剤には、米国、EUおよび日本において薬事承認申請が受理されたベンラリズマブ(抗好酸球、抗IL-5受容体α抗体) 、現在第III相にあるtralokinumab(抗IL-13抗体)、および第IIb相の主要評価項目の達成に成功したtezepelumab(抗TSLP抗体) が含まれます。アストラゼネカは、肺上皮、肺免疫、肺再生に焦点を当てた、基礎疾患のドライバーを解明する研究を行っています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。