アストラゼネカとPIERIS PHARMACEUTICALS社 アンチカリンに基づく呼吸器疾患吸入治療薬の 開発および商業化に関して提携

本資料はアストラゼネカ英国本社が2017年5月3日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

 

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、5月3日、Pieris Pharmaceuticals, Inc. (以下、Pieris社) と呼吸器疾患における戦略的提携を締結し、Pieris社が保有するアンチカリン®技術基盤を活用した新規吸入薬を開発することを発表しました。人工タンパクであるアンチカリン化合物は、他のタンパクもしくは低分子化合物に結合することで抗体に似た機能を発揮します。モノクローナル抗体よりも小さいため、肺に直接到達が可能です。

本提携のもとPieris社は、同社の前臨床段階にある第一候補物質であるPRS-060を、2017年中に第I相臨床試験に移行させます。PRS-060は、喘息治療薬として期待される抗インターロイキン-4受容体α(IL-4Rα)アンチカリンです。アストラゼネカは、すべての臨床開発およびその後の商業化プログラムに出資し、Pieris社は米国における第IIa相試験以降の共同開発ならびに共同商業化のオプション権を保持します。加えて、呼吸器疾患における非公開の4種の新規アンチカリン化合物の研究を進めるために連携します。

アストラゼネカの革新的医薬品および早期開発バイオテクユニットおよび事業開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べました。「アストラゼネカにおいて、呼吸器疾患領域における革新的新薬の創薬および開発は、重要な戦略的優先事項です。Pieris社との今回の提携によって、当社は呼吸器ポートフォリオに重要な新しい手法を加え、吸入製剤技術における科学的専門性をさらに発展させることが期待できます。画期的なサイエンスに対して当社と同様に意欲的であるPieris社と、患者さんにとって人生を変革するような新たな治療選択肢の開発を目指して協働できることを楽しみにしています」。

Pieris社の社長兼最高経営責任者であるStephen Yoderは次のように述べました。「アストラゼネカとのパートナーシップによって、当社が目指す医薬品の開発と商業化を統合した組織への変革が加速します。当社は、呼吸器疾患とがん免疫療法という免疫領域における2つの主要な柱に注力し、それぞれにおいて主要な提携を結んでいます。アストラゼネカの吸入薬開発における高い専門性により、PRS-060および他の吸入アンチカリン化合物の可能性が最大化され、両社にとって貴重な資産となるだろうと考えています」。

アストラゼネカはPieris社に対し、契約一時金および短期マイルストーンとして5,750万ドルを支払います。Pieris社は、全ての製品に関して開発関連マイルストーンおよび最終的な商業的な支払いを、21億ドルを超えない範囲で受領する可能性を保持しています。さらにPieris社は、アストラゼネカによって商業化されるすべての製品の売上に対する段階的なロイヤリティを受領する可能性を保持しています。

本提携契約は、1976年のハート・スコット・ロディノ反トラスト改正法に該当する待機期間(およびその延長期間)の失効あるいは早期解除が条件となっています。

以上

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PRS-060について

PRS-060 は現在、前臨床試験の段階にあります。本物質は、強力にIL-4Rα受容体サブユニットに作用する アンチカリン®で、既存の治療薬では完全にコントロール出来ない中等度から重度の喘息に苦しむ患者さんの治療薬として開発されています。多くの喘息患者さんにおいて、Th2系は重要な役割を果たすことが知られています。IL-4 および IL-13 はTh2系の喘息に関わる主要サイトカインで、どちらも介入ポイントであるIL-4Rα受容体サブユニットを経由して信号を送ります。PRS-060が典型的な抗体を用いた治療アプローチと異なるのは、肺に直接到達することができる吸入送薬であるという点であり、これは肺疾患の生物学的ドライバーを標的とする能力を高める可能性を持っています。局所送薬は全身的投与に比べて抗体の低用量化を可能にするかもしれません。Pieris社は動物における実証実験ならびにPRS-060の肺送薬の実現性を証明しました。


Pieris Pharmaceuticalsについて

Pieris Pharmaceuticals(NASDAQ: PIRS)は、独自の斬新な方法で有効な疾患情報伝達経路を標的とするアンチカリンに基づいた医薬品の創薬および開発に従事する、臨床段階バイオテクノロジー企業です。パイプラインには、腫瘍微小環境に対して創作したがん免疫療法多特異性物質、コントロール不良の喘息を治療する吸入アンチカリン®タンパク、および半減期が最適化された貧血治療のアンチカリンタンパクが含まれます。アンチカリン®タンパクは、臨床ならびに大手製薬企業とのパートナーシップにより検証された新しいクラスのタンパク療法剤で、Pieris社が特許を保有しています。アンチカリン®(Anticalin®)はPieris社の登録商標です。Pieris社はセルヴィエ、あすか製薬、ロシュ、サノフィ、第一三共およびZydusと提携しています。詳細はこちらをご覧ください:www.pieris.com 


アストラゼネカにおける呼吸器疾患について

呼吸器疾患はアストラゼネカの注力疾患領域で、製品ポートフォリオは年々成長し、2015年には世界中の1,700万人以上の患者さんに当社製品をお届けしました。アストラゼネカは、吸入配合剤を中心に、特定の疾患治療のアンメットニーズに応える生物学的製剤や、疾患原因を解明する革新的なサイエンスを通じて、喘息およびCOPD治療を向上させることを目指しています。アストラゼネカは、呼吸器領域における40年の歴史をさらに発展させており、吸入器技術はドライパウダー吸入器(DPI)、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)、ならびに共懸濁技術Co-Suspension™ Delivery Technologyなどに及びます。また、好酸球性疾患、Th2型疾患、上皮性病理生物学の3つの主要な生物学的情報伝達経路に焦点を当てた研究を行っています。


アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。