アストラゼネカのolaparib、BRCA遺伝子変異陽性転移性乳がんの第III相試験で主要評価項目を達成

本資料はアストラゼネカ英国本社が2017年2月17日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさま のご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

 

olaparibが化学療法との比較で無増悪生存期間の統計学的に有意な延長を示す

卵巣がん以外において最初に有効性を示したPARP阻害剤の有効性
および安全性を評価する無作為化試験

アストラゼネカ (本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は2017年2月17日、生殖細胞系BRCA1またはBRCA2遺伝子変異を有するHER2陰性転移性乳がん患者さんの治療薬として、医師が選択した標準的な化学療法とolaparib を比較した第III相試験(OLYMPIAD試験)の良好な結果を発表しました。olaparibによる治療を受けた患者さんは、化学療法(カペシタビン、ビノレルビン もしくはエリブリンのいずれか1つ)による治療を受けた患者さんと比較して、統計学的に有意かつ臨床的に有意義な無増悪生存期間(PFS)の延長を示しました。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「本試験の結果はアンメット・ニーズの高い疾患であるBRCA遺伝子変異を有する転移性乳がんの患者さんにとって朗報であるとともに、卵巣がん以外においてPARP阻害剤の有効性を示した最初の第III相試験のデータです。これは、DNA損傷応答経路を標的とすることで複数のがんを治療することを目指す当社が、広範なポートフォリオを開発するにあたり、非常に励みとなる成果です」。

OLYMPIAD試験の初回の解析結果からはolaparibの安全性プロファイルは過去の試験結果と一貫していることが示されています。

OLYMPIAD試験データの詳細な評価は現在実施中であり、今後学会発表を目指してその結果を投稿予定です。アストラゼネカは対象となるタイプの乳がん患者さんに対しolaparibが提供可能となるよう規制当局と連携していきます。

以上

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転移性乳がんについて
米国では女性の約8人に1人が乳がんと診断されています。これら患者さんのうち、約3分の1の患者さんは転移性乳がんと診断されるか転移ステージに病勢が進行しています1。過去30年間に治療選択肢は増加しましたが、転移性乳がんと診断された患者さんを治癒する方法は現在ありません。したがって、治療の第一義的な目的は出来る限り長く病勢の進行を遅らせ、患者さんのクオリティ・オブ・ライフを改善あるいは最低限維持することにあります。

OLYMPIAD試験について
OLYMPIAD試験は302例の病的変異または病的変異疑いに分類される生殖細胞系BRCA1またはBRCA2遺伝子変異を有するHER2陰性転移性乳がん患者さんにおけるolaparib(300 mg 1日2回投与)の有効性および安全性を医師の選択した化学療法(カペシタビン、ビノレルビンもしくはエリブリンのいずれか1つ)と比較検討した無作為化、多施設共同第III相試験です。本国際共同試験は欧州、アジア、北米および南米の19カ国において実施されました。

本試験の主要評価項目は、独立委員会による中央判定(BICR)による評価に基づく、無増悪生存期間(PFS)でした。副次的評価項目は全生存期間(OS)、二次進行または死亡までの期間(PFS2)、客観的奏効率(ORR)および 健康関連の生活の質(HRQoL)でした。

生殖細胞系BRCA遺伝子変異について
BRCA1およびBRCA2は損傷したDNAの修復に関わるタンパク質をコードする遺伝子であり、細胞内遺伝子の安定性維持に重要な役割を果たします。これらの遺伝子のいずれかが変異あるいは変化すると、BRCAタンパクが生成しないまたは正常に機能せず、DNA損傷が適切に修復されない可能性があります。その結果、細胞のがん化につながる、さらなる遺伝子変化を起こす可能性が高くなります2

BRCA1およびBRCA2の特定の遺伝的変異は女性の乳がんおよび卵巣がんのリスクを高めるとともに、その他の複数種類のがんのリスク上昇と関連するとされてきました。BRCA1およびBRCA2遺伝子変異を合わせると遺伝性乳がんの約20-25%を占めており3、すべての乳がんの約5-10%を占めています4。更に、BRCA1およびBRCA2の遺伝子変異は卵巣がん全体の約15%を占めています5。BRCA1およびBRCA2遺伝子変異に関連する乳がんならびに卵巣がんは、非遺伝性の患者さんに比べ若年期に発症する傾向があります。

olaparib について
olaparibは、革新的なファースト・イン・クラスのポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ
(PARP)阻害剤であり、DNA損傷応答(DDR)経路に異常をきたしたがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導します。olaparibは業界トップクラスであるアストラゼネカのがん細胞のDNA損傷応答(DDR)メカニズムを標的とする化合物のポートフォリオの基盤となる化合物です。

olaparibは現在プラチナ製剤ベースの化学療法に奏効している(完全奏効または部分奏効)プラチナ製剤感受性再発BRCA遺伝子変異(生殖細胞系/体細胞系)、高悪性度上皮卵巣がん、卵管がんあるいは原発性腹膜がんの成人患者さんの維持療法として単剤使用がEUで薬事承認されています。同剤はまた、3回以上の化学療法による前治療歴のある、生殖細胞系BRCA遺伝子に病的変異あるいはその疑いのある変異を有する(FDAより承認された検査で検出)、進行卵巣がん患者さんの単剤療法として米国で承認されています*。

olaparibは現在OLYMPIAと呼ばれる別の非転移性乳がんの第III相試験においても検討されています。本試験の患者登録は未だ受け付けており、世界中で患者さんを登録中です。

*olaparibは、本邦では未承認です。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの6つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に呼吸器・自己免疫疾患、循環器・代謝疾患、オンコロジーの3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com/をご覧ください。