AstraZeneca PLC 2016年 第4四半期・通年業績

業績は予想通りに推移、2017年は決定的な年になる可能性が

  • 製品売上の減少は、主に米国のクレストール後発品の市場参入の影響を反映しています。クレストールは特許満了を迎えた最後のブロックバスター(売上が 10 億ドルを超える大型製品)3 ですが、今後、当社は多くの後期パイプラインに関するニュース配信を控えています。

  • 通年のコスト管理は、ビジネスの形の進化を反映し、良好に進捗:

報告ベースおよび中核研究開発費はそれぞれ 2%増の 14 億 200 万ドルおよび 5%増の 56 億 3,100 万ドル(Acerta Pharma および ZS Pharma の研究開発費の吸収を含む)。

報告ベースおよび中核販売・一般管理費はそれぞれ 12%減の 94 億 1,300 万ドルおよび 9%減の 81 億 6,900 万ドル。

  • 通年報告ベース EPS は、買収関連負債の再評価を反映し 9%増の 2.77 ドル。中核 EPSは総売上減少により 5%減。

  • 1 株当たり 1.90 ドルの第 2 回配当が公表され、年間配当は 1 株当たり 2.80 ドルに。取締役会は当社の累進的配当方針の堅持を再確認。


営業ハイライト

成長基盤は通年で 5%成長 (2016 年第 4 四半期:3%増)。ハイライトは以下のとおり。

  • 新興市場:中国(10%増)に支えられ 6%成長し 57 億 9,400 万ドル(2016 年第 4 四半期は 7%増)。
  • 糖尿病:15%成長。Farxiga(日本ではフォシーガ)が当社最大の糖尿病治療薬に成長。
  • 日本:売上は 3%減の 21 億 8,400 万ドル。本年実施された隔年薬価改定を反映。
  • ブリリンタ:売上は 39%成長し、8 億 3,900 万ドル。ブロックバスターに向けて順調に推移。
  • 呼吸器:2%減の 47 億 5,300 万ドル(2016 年第 4 四半期:5%減)。米国でのシムビコートに対する価格圧力を反映。
  • New Oncology:売上は堅調で 6 億 6,400 万ドル(2016 年第 4 四半期:2 億 6,100 万ドル)。タグリッソは発売初年度で売上 4 億 2,300 万ドルを達成。


サイエンスのリーダーシップを達成

パイプラインにけん引され、アストラゼネカは本年も前進を維持しました。12の新薬候補が第III相あるいは薬事審査中にあり、これらは主にオンコロジー、循環器・代謝性疾患および呼吸器の3つの治療領域の製品です。本年、研究開発投資の40%超が充当されたオンコロジーパイプラインは、特にタグリッソおよびがん免疫療法プログラムにおいて、当社の予想を超える進捗を遂げています。下記は、前回業績発表からの後期段階パイプラインの成功事例を示すものです。


最高経営責任者(CEO)パスカル・ソリオの業績に関するコメント:

「通年の業績は予想通りの結果であり、当社事業変革の進展を反映しています。当社は 3 つの重点治療領域への焦点を更に鮮明にしました。また、デュルバルマブやタグリッソが優先審査指定を受けるとともにデュルバルマブの膀胱がんを適応とする薬事承認申請およびベンラリズマブのコントロール不良の重症気管支喘息を適応とする薬事承認申請が受理されるなど、開発パイプラインの生産性が向上しました。競争力のあるフランチャイズや新興市場にけん引される「新生アストラゼネカ」が台頭しつつあり、当社の基本的なビジネスは成長軌道にあります」。

「2017 年は、一部の製品の特許満了が間近に迫る一方で、世界中の患者さんに新たな薬剤を提供できることから、当社にとって転換期となる可能性があります。当社は、特にがん免疫療法および標的治療薬の極めて優れたパイプラインから得られるデータを解明していく予定です。本年は、がん、呼吸器および代謝性疾患に対する患者さんの人生を大きく変えることのできる複数の革新的医薬品を上市する機会があります。当社にとって今は、サイエンス主導のパイプラインに基づく強固な基盤を発展させ、これまで取り組んできた長期的成長への回帰を急速に実現させつつある、非常に期待のもてる時期です」。


2017 年度 ガイダンス

当社は総売上高および中核 EPS に関してのみガイダンスを提示します。本セクションの全ての数字は恒常為替レートに基づくものです。

ガイダンスはパイプライン進捗のベースケースの想定および次ページに記載されている膨大な量のニュース配信を前提としています。四半期毎の業績の変動は引き続き予想されますが、米国でのクレストール後発品参入の影響が年率化される 2017 年度の下半期には前年度との比較は改善すると予想されます。

当社は中核 EPS ベースでガイダンスを提示します。買収関連債務により生じる公正価格調整、無形資産減損費用および訴訟和解引当金を含む報告・GAAP ベースの結果の重要な要素を正確に予測することはできませんので、報告・GAAP ベースのガイダンスを提供することは不可能です。本発表文書の末尾にある「将来予想に関する記述についての警告文」をご参照ください。

上記ガイダンスに加えて、当社は損益計算書の他の項目の指標も提供します。2017 年度の社外提携収入およびその他営業収入は 2016 年度のそれを上回ると予想されます。2017 年度は社外提携収入の比率として、持続可能かつ継続的収入 4 が更に増加すると期待されます。中核研究開発費は概ね 2016 年度と同水準であると予想され、当社は、ビジネス形態の進化を反映し、中核販売・一般管理費の更なる削減を期待しています。これらの項目の詳細な説明は営業・ファイナンシャルレビューに記載されています。

2017 年度為替の影響

2017 年 1 月の平均為替レートおよび当社が発表した為替感度のみに基づき、通年の総売上高および中核 EPS に対する為替変動のマイナス影響は 1 桁台前半であると予想されます。為替感度の更なる詳細は営業・ファイナンシャルレビューの項に示されています。

注:

1.特段の記載がない限り、伸び率およびガイダンスはすべて恒常為替レート(CER)ベース。

2.中核財務指標および中核ベースから報告ベースへの財務指標の調整の定義は、営業・ファイナンシャルレビューを参照ください。

3.「ブロックバスター」は 12 カ月間の製品売上が 10 億ドルを超える医薬品と定義されます。

4.持続可能かつ継続的収入とは一時金の受領を除く社外提携収入と定義されます。


パイプライン:予定されている主なニュース

イノベーションはアンメット・メディカルニーズへの対応に不可欠であり、当社の成長戦略の中心にあります。研究開発への集中はパイプラインの強い結果を生み出すことを目的としています。

業績発表プレゼンテーション

経営陣の主催による投資家およびアナリストを対象とする電話会議およびウェブキャストは、英国時間の 2 月 2 日に開始されました。詳細については http://astrazeneca.com/investors.からアクセス可能です。


業績発表カレンダー

当社は 2017 年 4 月 27 日に 2017 年度第 1 四半期の財務業績を発表する予定です。
 

製品売上高

主要医薬品の業績を以下に示します。地域別業績は次ページに示しています。

地域別製品売上高

米国(通年売上は 22%減の 73 億 6,500 万ドル)
通年の米国売上の減少は 2016 年 7 月に米国市場に参入したクレストール後発品の競合を反映しています。不利なマネジドケアの価格設定および継続する熾烈な競合によりシムビコートの売上も影響を受けました。

ヨーロッパ(通年売上は 3%減の 50 億 6,400 万ドル)
ヨーロッパの通年売上は、フォシーガ(52%増の 1 億 8,700 万ドル)および Brilique(15% 増の 2 億 5,800 万ドル)が力強い売上成長を遂げましたが、シムビコートの売上減少(12% 減の 9 億 900 万ドル)がそれを上回り、減少しました。しかし、シムビコートは先発品およびアナログ製剤の競合にもかかわらず、数量ベースで ISC/LABA(吸入ステロイド・長時間作動型 β 刺激薬)のトップブランドとしての地位を維持しました。オラパリブ(olaparib)およびタグリッソの売上は、それぞれ 8,100 万ドル、7,600 万ドルに伸長しました。

ROW の既成市場(通年売上は 4%減の 30 億 9,600 万ドル)
米国以外(ROW)の既成市場におけるフォシーガの通年売上は 72%増の 5,800 万ドルでした。ネキシウムの売上は 10%減少し 5 億 3,700 万ドルでした。

日本の売上は、3%減の 21 億 8,400 万ドルで、2016 年 4 月に実施された隔年の薬価改定を反映しています。この売上減は通年で安定したクレストールの売上 5 億 2,100 万ドルにより一部緩和されました。タグリッソの売上は日本における 2016 年 5 月の発売以降 8,200 万ドルに達しました。

新興市場(通年売上は 6%増の 57 億 9,400 万ドル)
全世界の製品売上の 27%を占める新興市場はアストラゼネカの 2 番目に大きな売上を持つ地域です。

新興市場の通年の売上成長は、ブラジル以外の通年売上が 5 億 1,600 万ドルへと 7%減少した南米のマクロ経済の困難な状況により影響を受けました。また、サウジアラビア政府による大医療費削減およびベネズエラにおけるアストラゼネカの事業活動の縮小による売上へのマイナス影響がありました。しかし、中国の売上は 10%増加し 26 億 3,600 万ドルを計上し、通年の新興市場売上の 45%を占めました。

ブラジルの売上は、フォシーガ(50%増の 2,800 万ドル)、オンコロジー製品(1%増の 8,200万ドル)およびセロケン(6%増の 6,300 万ドル) の堅調な業績を反映し、2%増の 3 億 4,800万ドルでした。ロシアの売上は、循環器・代謝性疾患治療薬の強力な売上(38 %増の 80,00万ドル)にけん引され、13%増の 2 億 3,300 万ドルでした。

多くのアストラゼネカの医薬品が 2016 年に社外導出あるいは売却され、製品売上にマイナスの影響を与えました。

以上

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アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主に呼吸器・自己免疫疾患、循環器・代謝疾患、オンコロジーの 3 つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100 カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com をご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、呼吸器・自己免疫疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社については http://www.astrazeneca.co.jp をご覧ください。