アストラゼネカ、肺がんのファーストライン治療において、 がん免疫療法プログラムの機会を拡大

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2017年1月17日、非小細胞肺がん (NSCLC)のファーストライン治療における、第III相MYSTIC試験を含むがん免疫療法 (IO) 後期臨床開発プログラムの最新情報を提供しました。

MYSTIC試験は、当初、durvalumab(一般名「デュルバルマブ(遺伝子組換え)」、以下、「デュルバルマブ」)単剤療法およびデュルバルマブとtremelimumab(一般名「トレメリムマブ(遺伝子組換え)」、以下、「トレメリムマブ」)(durva + treme) の併用療法において、無増悪生存期間 (PFS) に焦点を絞り、標準的な化学療法(SoC)と比較したベネフィットを評価するよう設計されていました。

今回の変更により、MYSTIC試験では、全患者さんを対象としたSoCとの比較におけるdurva + treme併用療法に加えて、PD-L1発現がん患者さんにおけるデュルバルマブ単剤療法とdurva + treme併用療法においても、PFSおよび全生存期間 (OS) を評価項目として評価していきます。

アストラゼネカは、引き続きdurva + treme併用療法における臨床効果を探求することに集中していく一方で、新たにデュルバルマブ単剤療法におけるOSおよびPFSをMYSTIC試験評価項目に追加しました。本変更は、これまで医学学会において発表されたデュルバルマブの単剤療法における強固な有効性を含む、社内外の一連のデータに基づいており、昨今の競合的な環境における重要な機会を鑑みたものです。

主要評価項目終了予定時期は、登録患者数の増加 (2016年2月に共主要評価項目としてOSを追加した旨を報告済) および本試験のイベントベースという性格の双方を反映し、新たに設定されました。これにより、当社は、MYSTIC試験の PFSデータが2017年年央に、OSデータは遅くとも2018年に得られると予想しています。MYSTICにはOSに関する複数の非公開の中間解析も含まれます。

さらに、現在実施中の第III相NEPTUNE試験は、NSCLC患者さんを対象としたdurva + treme併用療法の中国における薬事承認申請をサポートするため、中国人患者さんの組み入れを拡大します。なお、本拡大が2018年に予想されるグローバルコホート(ほぼ全例登録済み)のOSデータが得られる時期を遅延させることはありません。さらに、当社はPD-L1発現NSCLC患者さんのファーストライン治療において、デュルバルマブ単剤療法とSoCを比較した新たな第III相PEARL試験を開始しました。PEARL試験は、アジア地域においてNSCLCの罹患率が高いことを考慮し、中国をはじめとするアジア諸国に特化して実施されます。

全ての変更は、https://clinicaltrials.gov/を含む臨床試験ウェブサイトの更新情報に反映されます。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「MYSTIC 試験計画の変更、NEPTUNE試験の拡大および新たなPEARL試験の開始は、いずれもNSCLCファーストライン治療におけるIO-IO併用治療およびIO単剤療法に関して当社の選択肢を増強させることを目的としています。当社は引き続き患者さんのベネフィットのために社内外のリソースを通じサイエンスを追い求め、2017年年央に最初の主要データを提供できることを期待しています」。

以上

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MYSTICについて
MYSTIC試験は、上皮成長因子受容体(EGFR)および未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)野生型進行または転移NSCLC患者さんのファーストライン治療におけるデュルバルマブとトレメリムマブの併用療法またはデュルバルマブ単剤療法とSoCプラチナ製剤ベースの化学療法を比較する無作為化、非盲検、多施設間国際第III相試験です。

NEPTUNEについて
NEPTUNE試験はEGFRおよびALK野生型進行または転移NSCLC患者さんのファーストライン治療におけるデュルバルマブとトレメリムマブの併用療法とSoCプラチナ製剤ベースの化学療法を比較する無作為化、非盲検、多施設間国際第III相試験です。

PEARLについて
PEARL試験は上皮成長因子受容体(EGFR)および未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)野生型進行または転移PD-L1発現NSCLC患者さんのファーストライン治療におけるデュルバルマブ単剤療法とSoC化学療法を比較する無作為化、非盲検、多施設間第III相試験です。本試験はデュルバルマブの有効性と安全性をアジア諸国において検討するために開始されました。一部のアジア諸国ではNSCLC罹患率が最も高く、2030年には中国のみで1,100万人を超える新規患者さんが予想されています。

デュルバルマブについて
デュルバルマブは、現在開発中のプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)ヒトモノクローナル抗体です。腫瘍はPD-L1を発現し、殺細胞性Tリンパ球のPD-1に結合することで、自らが免疫システムにより探知されるのを回避します。デュルバルマブはT細胞のPD-1およびCD80とのPD-L1の相互作用を阻害し、腫瘍の免疫からの逃避機構が働かないよう作用し、がんを攻撃するよう患者さんの免疫システムを活性化します。デュルバルマブは米国食品医薬品局 (FDA) より2016年にPD-L1陽性の切除不能または転移UCの治療薬として画期的治療薬指定を受け、2015年にはPD-L1陽性の転移頭頸部扁平上皮がんの治療薬として迅速審査指定を受けました。2次治療尿路上皮がん (UC) におけるデュルバルマブの生物学的製剤承認申請 (BLA) がFDAによって受理され、処方せん薬ユーザー・フィー法に基づく目標審査期間が2017年第2四半期までと設定されました。

がん免疫治療(IO)に対するアストラゼネカのアプローチについて
がん免疫療法(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカおよび当社のバイオ医薬品研究発部門であるメディミューンにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療薬により支えられています。当社はIOに基づく治療薬は多くの患者さんの人生に変革をもたらす抗がん剤となる可能性を提供するものと信じています。

当社は、患者さんにとって最善となる治療の方向性を見極める意思決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを使用し、複数の腫瘍型、病期、および治療の段階におけるデュルバルマブ(PD-L1)単剤療法およびトレメリムマブ(CTLA-4)との併用療法における包括的な臨床プログラムを検討しています。さらに、当社の全オンコロジーパイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物とIOポートフォリオの併用療法を広く検討していくことにより、様々な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの6つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患および呼吸器の3つの重点治療領域において医療用医薬品の創薬、開発、製造および商業化に従事しています。また、当社は自己免疫、ニューロサイエンスおよび感染症領域においても選択的に活動しています。アストラゼネカは100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comをご覧ください。