アストラゼネカの呼吸器領域生物学的製剤ファセンラ、米国食品医薬品局(FDA)より好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に対する希少疾病用医薬品指定を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年11月26日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

 

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は2018年11月26日、重症喘息治療薬である生物学的製剤ファセンラ(一般名:ベンラリズマブ(遺伝子組換え)、以下、ファセンラ)が、米国食品医薬品局 (以下、FDA)より、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の治療としての希少疾病用医薬品指定(ODD)を取得したことを発表しました。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症は、複数の臓器や組織に傷害を与えうる希少自己免疫疾患です1。FDAは、米国において患者数が20万人未満の希少疾病または障害に対する治療、診断もしくは予防を目的とする医薬品を、希少疾病用医薬品として指定します。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症は、希少な耐え難い炎症性の疾患で、患者さんには概して、非常に高い好酸球値が認められます。ファセンラの好酸球除去作用は、当社が実施した好酸球性の重症喘息に対するファセンラの複数の臨床試験によって示されていますので、好酸球が引き起こす他の疾病のアンメットメディカルニーズにも対応できるよう、本剤の可能性を探求しています。」

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症は、血管の炎症と白血球の一種である好酸球の値が高いことが特徴です1。ファセンラの血中の好酸球を速やかにかつほぼ完全に除去する作用による、好酸球性の重症喘息に対する有効性は証明されていることから、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の患者さんの治療薬となる可能性が期待されています2,3

ファセンラは、アストラゼネカ初の呼吸器疾患の生物学的製剤で、現在、重症喘息の追加維持療法として米国、EU、日本および複数の他の国・地域において承認されています。

なお、現時点で、ファセンラが好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に対する治療薬として承認されている国はありません。

以上

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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)について
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は、旧名チャーグ・ストラウス症候群と呼ばれる、慢性自己免疫の希少疾患で、小血管から中血管の炎症により引き起こされる疾患です4。EGPAは、肺や皮膚、心臓、消化管、神経など複数の臓器で障害を起こします。もっとも多い症状には、極度の疲労感、体重減少、筋肉痛、関節痛、あざ、神経痛、副鼻腔や鼻腔の症状、息切れなどがあります1,4,5。未治療の場合は死に至ることもあります1
EGPAの病態生理は、高値の好酸球が中心となっています。すべてのEGPA患者さんの疾患のある段階において、末梢血および障害をうけた細胞あるいは臓器、どちらにおいても非常に高い好酸球値が認められます1,4。EGPA患者さんは通常喘息(成人発症の可能性がある)を患っており、またしばしば副鼻腔や鼻腔の症状を持っています。
EGPAに対する効果的な医薬品は限られています。患者さんの治療には高用量の経口ステロイド(OCS)が使用される場合が多く、経口ステロイドの使用を中止する際には症状が再発し悪化を招くこともあります。

ファセンラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:ベンラリズマブ(遺伝子組換え))について
ファセンラは、血中好酸球上のIL-5受容体αに直接作用し、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)を活性化させ、アポトーシス(プログラム死)によって体内の好酸球を直接的かつ速やかに除去するモノクローナル抗体です2,3
ファセンラは、アストラゼネカの呼吸器疾患領域における最初の生物学的製剤で、現在、米国、EU、日本、その他数カ国において、重症喘息治療の追加療法として承認されており、数カ国で承認申請中です。ファセンラは、固定用量があらかじめ充填されたプレフィルドシリンジの注射剤で、初回、4週後、8週後に皮下に注射し、以降、8週間隔で皮下に注射します。ファセンラは現在、重症の鼻ポリープ症に対する治療薬としても検証されています。好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に対するファセンラの第III相試験は開始されていません。
ファセンラは、協和発酵キリンの完全出資子会社であるBioWa社から導入され、アストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンと協和発酵キリンにより開発されました。
なお、現時点で、ファセンラが好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に対する治療薬として承認されている国はありません。

アストラゼネカにおける呼吸器疾患について
呼吸器疾患はアストラゼネカの注力疾患領域のひとつで、製品ポートフォリオは年々成長し、2017年には世界中の1,800万人以上の患者さんに当社製品をお届けしました。アストラゼネカは、吸入配合剤を中心に、特定の疾患治療のアンメットニーズに応える生物学的製剤や、疾患原因を解明する革新的なサイエンスを通じて、喘息およびCOPD治療を向上させることを目指しています。
アストラゼネカは、呼吸器領域における40年の歴史をさらに発展させており、当社の吸入器技術はドライパウダー吸入器(DPI)、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)、ならびにAerosphere Delivery Technologyなどに及びます。また、当社の生物学的製剤には、現在好酸球性の重症喘息治療薬として承認され、重症鼻ポリープ症の治療薬として開発中のファセンラ(抗好酸球、抗IL-5受容体ɑ抗体)、および重症喘息の第III相試験を実施中で、米国食品医薬品局から画期的治療薬指定(Breakthrough Therapy designation)を受けている tezepelumab(抗TSLP抗体)が含まれます。アストラゼネカは、肺上皮組織、肺免疫および肺再生に焦点を当てた、基礎疾患のドライバーを解明する研究に注力しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1.American Partnership for Eosinophilic Disorders. Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis (EGPA). Accessed 20 November 2018. https://apfed.org/about-ead/eosinophilic-granulomatosis-with-polyangiitis/.
2.Kolbeck R, Kozhich A, Koike M, et al. MEDI-563, a humanized anti–IL-5 receptor a mAb with enhanced antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity function. J Allergy Clin Immunol. 2010 Jun;125(6):1344-1353.e2.
3.Pham TH, Damera G, Newbold P, Ranade K. Reductions in eosinophil biomarkers by benralizumab in patients with asthma. Respir Med. 2016; 111:21-29.
4.Baldini C, Talarico R, Della Rossa A, Bombardieri S. Clinical Manifestations and Treatment of Churg-Strauss Syndrome. Rheum Dis Clin N Am. 2010; 36: 527–543.
5.Vasculitis Foundation. Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis Fact Sheet. Available via https://docs.google.com/file/d/0B6Ey09QSlQ65ZTYzSXYyVTlfVHM/edit.
6.Wechsler M. Akuthota P, Jayne D, Khoury P. Mepolizumab or Placebo for Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis. N Engl J Med. 2017 May 18; 376(20): 1921–1932.