アストラゼネカ、ステージIVの非小細胞肺がんに対するイミフィンジ®とトレメリムマブの第III相MYSTIC試験の結果を報告

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年11月16日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

 

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)および当社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンは、2018年11月16日、未治療転移性(ステージIV) 非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象とした、イミフィンジ®(遺伝子組換え)(以下、「イミフィンジ®」)単剤療法またはイミフィンジ®と抗CTLA-4抗体であるトレメリムマブ(遺伝子組換え)(以下、「トレメリムマブ」)の併用療法を、白金製剤を用いた標準化学療法と比較する多施設共同無作為化非盲検国際第III相試験MYSTIC試験の全生存期間 (OS) の最終結果を発表しました。

VENTANA PD-L1(SP263)検査により判定されたがん細胞の25%以上にPD-L1が発現しているがんを有する主要解析患者集団において、イミフィンジ®単剤療法およびイミフィンジ®とトレメリムマブの併用療法は、標準化学療法との比較において、主要評価項目であるOSの延長を達成しませんでした。OSの結果は統計学的有意差に未到達でしたが、イミフィンジ®単剤療法群においてハザード比 0.76(97.54% 信頼性区間 0.564-1.019; p値=0.036)が認められました。併用療法群のハザード比は0.85(98.77% 信頼性区間 0.611-1.173; p値=0.202)であり、本データにより探索的サブグループにおける更なる検討が必要であることが分かりました。

イミフィンジ®単剤療法ならびにイミフィンジ®とトレメリムマブ併用療法の安全性および忍容性プロファイルは過去の試験と一貫していました。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「ステージIV NSCLC患者さんにおいて、イミフィンジ®単剤療法の活性は抗PD-1クラスに沿ったものであることが確認できたものの、今回の結果では、統計学的有意差を達成できなかったことを大変残念に思います。しかしながら、イミフィンジ®は今後も当社のがん免疫治療(IO)プログラムにおける礎であり、当社は現在実施中のイミフィンジ®単剤療法とイミフィンジ®およびトレメリムマブの併用療法の化学療法との併用を含むNSCLCの試験において、引き続き評価を続けていきます」。

イミフィンジ®は現在米国、欧州および日本を含む40カ国以上において、PACIFIC試験に基づき切除不能なステージIII NSCLC患者さんの治療薬として承認されています。イミフィンジ®はステージIV NSCLC患者さんを対象とする一連の第III相試験も現在進行中です。

以上

 

*****

MYSTICについて
MYSTIC試験は、上皮成長因子受容体(EGFR)および未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)野生型進行性又は転移性(ステージIV)NSCLC患者さんの1次治療において、イミフィンジ®単剤療法またはイミフィンジ®とトレメリムマブの併用療法を白金製剤を用いた標準化学療法と比較した多施設共同無作為化非盲検国際第III相試験です。

本試験は、米国、カナダ、欧州、ロシア、オーストラリアならびに日本、韓国、タイ、台湾およびベトナムを含むアジアの一部を含む、17カ国の167医療機関において実施されました。主要評価項目には併用療法に関しては無増悪生存期間(PFS)、単剤療法および併用療法に関しては全生存期間(OS)が含まれていました。イミフィンジ®とトレメリムマブの併用療法は標準化学療法との比較で、2017年7月の時点でがん細胞の25%以上にPD-L1が発現していた腫瘍を有する患者さんにおいて、その主要評価項目であるPFSの延長を達成しませんでした。

イミフィンジ®について
イミフィンジ®はヒトPD-L1に対するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合し、PD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し、抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジ®は切除不能なステージIII NSCLC の治療薬として米国、欧州および日本を含む40カ国以上において第III相PACIFIC試験に基づき承認されています。また、イミフィンジ®は前治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬としても米国、カナダ、ブラジル、イスラエル、インド、アラブ首長国連邦、オーストラリアおよび香港において承認されています。

現在、イミフィンジ®は、NSCLC、小細胞肺がん(SCLC)、膀胱がん、頭頸部がん、肝細胞がんならびにその他の固形がんの1次治療として、単剤療法ならびに、化学療法、放射線療法、低分子化合物および抗CTLA-4モノクローナル抗体であるトレメリムマブとの併用療法が検討されています。

トレメリムマブについて
トレメリムマブは細胞傷害性T-リンパ球抗原4(CTLA-4)の活性を標的とする開発中の新薬候補であるヒトモノクローナル抗体です。トレメリムマブはCTLA-4の作用を阻害し、T細胞の活性化に寄与し、がんに対する免疫反応を増強します。トレメリムマブはイミフィンジ®との併用療法で、NSCLC、尿路上皮がん、頭頸部扁平上皮がん、肝細胞がんおよび血液がんにおける広範な臨床試験プログラムにおいて検討中です。

ステージIV NSCLCについて
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています。また、肺がんによる死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんによる死亡者合計を上回ります。肺がんはNSCLCとSCLCに大別され、患者さんの80-85%がNSCLCに分類されます。ステージIVは、最も進行したがんであり転移がんとされます。ステージIVの患者さんの約85%は診断時に肺以外の臓器にがんが転移しています。診断後に5年間生存するのはこれら患者さんの僅か10人に1人であることから、予後は非常に悪いとされています。

肺がんにおけるアストラゼネカについて
アストラゼネカはすべての病期および治療段階にわたる既承認薬および後期開発段階にある医薬品候補を含む肺がん治療薬の包括的なポートフォリオを有しています。当社は、当社の既承認薬であるイレッサ®およびタグリッソ®ならびに現在進行中のFLAURA、ADAURA、LAURAの第III相試験を持って、欧米のNSCLC患者さんの10-15%に、アジアにおけるNSCLC患者さんの30-40%に発現する疾患のドライバー遺伝子としてのEGFRの変異を有する患者さんのアンメットニーズに応えることを目指しています。

当社の広範ながん免疫療法の後期開発プログラムは、75-80%にあたる既知の遺伝子変異を持たないNSCLC患者さんを対象にしています。抗PD-L1抗体であるイミフィンジ®は、単剤療法として(ADJUVANT、BR.31、PACIFIC-2、PACIFIC-5およびPEARL試験(すべて第III相試験))および抗CTLA-4抗体であるトレメリムマブとの併用において (NEPTUNE、POSEIDON、ADRIATIC、CASPIAN試験(すべて第III相試験))において検討中です。

IOに対するアストラゼネカの取組みについて
IOはヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカおよび当社のバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療薬により支えられています。当社は、IOに基づく治療は大多数の患者さんの人生に変革をもたらすがん治療となる可能性を提供するものと信じています。

当社は、患者さんにとって最善となる治療の方向性を見極める決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを使用することで、複数のがん種、病期、および治療の段階におけるイミフィンジ®(抗PD-L1抗体)単剤療法およびトレメリムマブ(抗CTLA-4抗体)との併用療法における包括的な臨床プログラムを追求しています。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

メディミューンについて
メディミューンは、低分子化合物およびバイオ製剤の医療用医薬品の研究、開発および商業化に特化するグローバルなイノベーション志向のバイオ・医薬品企業アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発部門です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、オンコロジー、呼吸器、循環器・代謝疾患、および感染症・ワクチン等の重点疾患領域において新規治療経路の検討に取り組んでいます。メディミューンの本社は、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点のひとつとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあり、これに加え英国ケンブリッジおよび米国カリフォルニア州サウスサンフランシスコにも研究所があります。詳細についてはhttps://www.medimmune.comをご覧ください。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください