米国FDA、新たにBRCA遺伝子変異陽性進行卵巣がんと診断された患者さんの維持療法としてのリムパーザの薬事承認申請を受理、優先審査指定も付与

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年11月12日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

~承認取得後は、リムパーザの使用はプラチナ製剤を含む
化学療法による初回治療中の患者さんに拡大へ~

~米国で初めて進行卵巣がん初回治療後の維持療法としての
PARP阻害剤の薬事承認申請受理~

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカおよびメルク・アンド・カンパニー(本社:米国ニュージャージー州ケニルワース、以下「メルク(北米以外ではMSD)」)は、2018年11月12日、米国食品医薬品局(FDA)により、リムパーザ錠(一般名:オラパリブ)の標準的なプラチナ製剤ベースの化学療法による初回治療後に完全または部分奏効を示している新たにBRCA遺伝子変異陽性(BRCAm)進行卵巣がんと診断された患者さんの維持療法を適応とする適応追加申請(supplemental New Drug Application: sNDA)が受理されるとともに優先審査指定が付与されたことを発表しました。医療用医薬品(処方箋薬)ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく優先審査の完了期限は2019年第1四半期に設定されました。

これは、進行卵巣がんの初回治療後の維持療法としてのポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤に関する米国初の薬事承認申請受理であり、承認取得により米国におけるリムパーザの4番目の適応となります。

本申請は、評価資料となる第III相SOLO-1試験の良好な結果に基づいています。本試験により、プラチナ製剤を含む化学療法に完全または部分奏効を示している、新たにBRCA遺伝子変異陽性(BRCAm)進行卵巣がんと診断された患者さんにおいて、リムパーザ投与群は、プラセボ投与群との比較で、統計学的に有意かつ臨床的に有意義な無増悪生存期間(PFS)の延長を示し、病勢進行または死亡のリスクを70%低減させた(ハザード比 0.30 [95% 信頼区間 0.23-0.41], p<0.001)ことが示されました。投与開始から36カ月後の時点でリムパーザ投与群の患者さんのうち60%、プラセボ投与群の27%に病勢進行または死亡は見られませんでした。これらのデータは先月開催された2018年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)において初めて発表され、New England Journal of Medicineのオンライン版に掲載されました。

現在リムパーザはBRCA遺伝子変異の有無を問わずプラチナ製剤感受性再発卵巣がん治療薬として60カ国以上で承認されています。また、同剤は米国および日本を含む数カ国で生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性HER2陰性転移乳がんの治療薬として承認されていますが、現在、EU、日本およびその他の地域においても、本適応に対する規制当局の承認審査が進行中です。

以上

*****
SOLO-1試験について
SOLO-1試験はBRCAmの新たに進行卵巣がんと診断された患者さんを対象としたリムパーザ錠(300 mg 1日2回 )のプラチナ製剤を含む化学療法後の維持療法としての有効性および安全性をプラセボと比較評価することを目的とした無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第III相試験です。本試験はプラチナ製剤ベースの化学療法による前治療を受け、完全奏効または部分奏効を示している病的変異あるいは病的変異疑いに分類される BRCA 1または BRCA 2 遺伝子変異が確認されている 391 例の患者さんを無作為に割り付けました。患者さんはリムパーザ投与群あるいはプラセボ投与群に無作為に割り付けられ(2:1)、最長2年間あるいは病勢進行の時点(治験担当医師の判断による)まで治験薬の投与を受けました。本試験の主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)であり、主な副次的評価項目は、2次進行もしくは死亡までの期間、最初の後治療開始までの期間、および全生存期間でした。

リムパーザについて
リムパーザ (オラパリブ) は、ファーストインクラスのポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、DNA損傷応答(DDR)経路に異常をきたしたがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導する最初の標的治療薬です。特に、複数のin vitro試験によりリムパーザによる細胞毒性はPARP酵素活性の阻害およびPARP-DNA複合体の生成を増加させる可能性があり、その結果DNA損傷およびがん細胞死が生じることが示されています。リムパーザはDDR経路に異常をきたした一連のがん種において開発が進行中です。

リムパーザは、アストラゼネカとMSDにより共同で開発および商業化されており、進行卵巣がんおよび転移性乳がんの治療薬として承認され、現在までに全世界で2万人を超える患者さんに使用されてきました。リムパーザはPARP阻害剤としては最も広範囲かつ最先端の臨床試験開発プログラムを有しており、アストラゼネカとMSDは本剤が単剤療法として複数のPARP依存性腫瘍に与える影響および複数のがん種における本剤の併用療法を解明するために協働しています。リムパーザはアストラゼネカの業界を主導するがん細胞のDNA損傷応答(DDR)メカニズムを標的とする新薬候補のポートフォリオの基盤となる化合物です。

卵巣がんについて
卵巣がんは全世界で、女性のがんによる主要な死因で5年生存率は19%です。2018年には、約29万5,000人が新たに診断され、約18万5,000人が死亡しました。新たに進行卵巣がんと診断された患者さんにとって治療の最大の目的は、完全緩解または根治の達成を目指し、病勢の進行を出来る限り遅らせ生活の質を維持することです。

BRCA遺伝子変異について
BRCA
1およびBRCA2は損傷したDNAの修復を担うタンパクを生成するヒト遺伝子であり、細胞内遺伝子の安定性維持に重要な役割を果たします。これら遺伝子のいずれかが変異あるいは変化すると、BRCAタンパクが生成されないまたは正常に機能せず、DNA損傷が適切に修復されず細胞が不安定になる可能性があります。その結果、細胞はがん化につながるさらなる遺伝子変化を起こす可能性が高くなります。

アストラゼネカとMSDのがん領域における戦略的提携について
2017年7月、アストラゼネカと北米以外ではMSDとして知られる米国ニュージャージー州ケニルワースに本社を置くメルク・アンド・カンパニーは、アストラゼネカの世界初のPARP阻害剤であるリムパーザおよび現在開発中であるMEK阻害剤セルメチニブの複数のがん種における共同開発・商業化に関するがん領域における世界的な戦略的提携を発表しました。共同で、両社はリムパーザおよびセルメチニブを他の可能性のある新薬との併用療法および単剤療法として開発します。また、単独で、各社は各々のPD-L1およびPD-1医薬品との併用療法としてリムパーザおよびセルメチニブを開発します。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷応答および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。