北垣 瑞穂
Mizuho Kitagaki

コマーシャルエクセレンス&インフォメーションテクノロジー統括部 インフォメーションケーパビリティエクセレンス部 マネージャー

 

MR活動とデジタルの融合で、医療分野のコミュニケーションを変革

デジタルが変えた製薬会社のマーケティングスタイル

私の所属する部門は、アストラゼネカにおけるデジタルを介した顧客などへのアプローチに関するすべての施策を管理・運営しています。昨今、製薬業界においても、デジタルを介したアプローチ(デジタルプロモーション)は欠かせないものとなってきました。そのようなデジタルプロモーションが定着した背景には、医師の多忙化や医療施設のセキュリティ強化により、従来のようにMRが頻繁に医師や医療関係者のもとを訪ね、ディテーリング(対面による医薬品に関する情報提供)を行うことが困難になってきたことがあります。また、日常生活でインターネットを通じて情報を得ることが一般的になる中、医療現場にもデジタルでのコミュニケーションが浸透しつつあります。教育など、ほかの分野で既にデジタルの普及が進んでいるように、医療分野においても医師や患者さんに製品情報や疾患知識を伝える手段として、紙媒体よりわかり易くインパクトのある表現が可能なデジタルの活用が強く求められるようになっています。

こうした動きに対して、製薬会社では、医療関係者向けサイトの開設や専用アプリのリリース、MR活動を支援するデジタルツールの導入など、デジタル情報を活用したプロモーションによって対応しています。アストラゼネカでも早い時期からデジタルプロモーションに着手し、医療関係者への情報提供やMRが利用できるデジタルコンテンツの充実に努めてきました。

製品や疾患情報などのアストラゼネカの「サイエンス」を、最適なデジタルツールを駆使して、医療関係者や患者さん、MRなどのユーザーに確実に届けていくこと、それが私たちの部門が果たすべき役割だと捉えています。


「パーソナライズ戦略」の深化に取り組む

私たちが現在取り組んでいる重点課題は「パーソナライズ戦略の深化」です。膨大な閲覧データから医療関係者一人ひとりが望む情報を分析し、オンライン上ではもちろん、MRによる情報提供活動といったオフラインにおいてもニーズに合った情報を提供することを目指しています。また、パーソナライズ戦略は医療関係者向けの情報提供においても重要なテーマとなってきています。そのような中、アストラゼネカでは過去のアクセス記録から最適なコンテンツを自動的におすすめする機能を搭載するなど、医師の専門や関心に沿ったタイムリーな情報提供に努めています。こうしたパーソナライゼーションの取り組みにより、顧客満足度は着実に向上しています。これからもMR活動とデジタル活動の融合を通じて、医療関係者や患者さんのニーズに応える情報提供体制の確立に努めていきたいと考えています。


医師や患者さんへの情報提供からMR活動のサポートまで


パーソナライズ戦略のためのデジタルツールは、医療関係者向けサイトの運用やアプリケーションの開発、MRが使用するデジタルツールの整備、患者さん向けサイトの構築など、多岐にわたります。

「MediChannel」(メディチャンネル)は、2006年に開設した医療関係者向けのWEBサイトです。領域別の製品・疾患情報はもちろんのこと、最新の学会情報や学術文献の紹介、画像やイラストなどの医療現場で役立つツールの提供など、幅広い内容を盛り込んでいます。マーケティング支援については、約1,750名のMRに、iPadで閲覧できる製品情報、市場情報を日々配信しています。患者さん向けのデジタルツールとしては、各種疾患の情報サイトや服薬カレンダーなどを提供しています。

このようなデジタルコミュニケーションの発展は、会社のマーケティング活動の質を向上させることに加え、患者さんの治療環境を向上させることにつながると考えています。たとえば、遠隔地で診療に当たっている医師に最新の医療情報をタイムリーに届けることが可能になり、患者さんも医師に尋ねにくい治療内容や医薬品に対する疑問をデジタル情報で確認できるようになっています。

処方改善への貢献に、やりがいを実感

多方面にわたるこれらデジタルコンテンツに掲載する情報は、私たちの部門のみで制作することはできません。製品に関するものはマーケティング部門、現場のニーズに関するものはセールス部門、医療情報を取り扱うコンテンツはメディカル部門といったように、社内の他部門と緊密な連携を取りながら情報を構築・発信しています。また関係部門との調整は、対面のコミュニケーションを基本としつつも、ビデオカンファレンスやチャットなどのツールも活用し、効率的かつ機能的に実施しています。これらさまざまな活動の結果として私たちが仕事のやりがいを感じる瞬間は、私たちのデジタル施策が医療の高度化に貢献していることを実感できたときです。たとえば、私の所属部門が提供したデジタルツールを介して医師とMRが活発なディスカッションを交わし、その結果、患者さんへの処方が改善されたと聞いたときには大きな喜びを感じることができます。

アストラゼネカがベースとして持たなくてはならないことは、薬剤や疾患などの科学的な情報を、医療関係者に正しくお届けすることだと考えています。しかし、わずかな時間で効率的に情報提供を行うためには、情報にアクセスし利用する場面において、デバイスやツールをシンプルに活用できることが重要です。「複雑なマニュアルを必要とせず、直感的に操作できる。」、「すべての情報がひとつの場所に集まっていて、必要な情報にいつでもどこでもアクセスできる」ことを念頭に置き、今後もアストラゼネカが発信する情報に、すべてのユーザーがシンプルにアクセスできる環境を提供したいと考えています。

患者さんの人生を変えるという当社のミッションに向かい、ともに邁進できる仲間をお待ちしています。